アパート清掃やビル管理、設備点検を手がける企業では、物件ごとに巡回頻度や担当者、管理会社、オーナー名、報告書の送付先といった多くの情報を扱います。こうした物件情報を、Excelの「物件台帳」で管理している企業も多いのではないでしょうか。
実際、従業員101名以上の企業を対象にした調査では、データ管理業務でExcelを利用している人は73.4%にのぼり、およそ70%がExcelでのデータ管理に限界やデメリットを感じているという結果が出ています。困りごととしては、管理の属人化や、どれが最新版か分からないといった点が挙げられています。
そこで本記事では、Excelによる物件管理の課題を整理したうえで、フルカスタマイズ版の写真報告アプリ「RaccoonPro」で、物件情報を「物件マスタ」として一元管理する方法を解説します。
4,000件の物件台帳をクラウド化した清掃会社の事例も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
Excelでの物件管理で起こる3つの課題
Excelは導入コストがかからず、項目も自由に追加できるため、物件数が少ないうちは非常に便利なツールです。
しかし事業が成長するにつれ、Excelの物件台帳に次のような情報が次々と追加されていくと、どうなるでしょう。
- 住所・戸数・管理会社・オーナー名などの基本情報
- 巡回頻度・担当者・巡回スケジュールなどの運用情報
- 報告書の送付先・報告すべき内容・チェックリストなどの報告情報
- 月あたりの売上・請求先などの売上情報
このような情報が追加された物件台帳は、もはや「住所録」ではなく、現場運用から売上管理までをつなぐ事業の基盤になっているといえます。
このような情報基盤となった物件台帳を、物件数や関わる人数が増えてからもExcelで管理し続けると、次のような課題が生じます。
- どの情報が正しいのか判断できなくなる
- 台帳の更新作業が属人化する
- 目視確認や転記などの手間が発生する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
どの情報が正しいのか判断できなくなる
1つ目は、同時編集の問題です。複数人で同時に編集できず、最新版がわからなくなるのは、Excelで生じる課題の代表例といえます。
たとえば、営業担当や現場責任者がそれぞれファイルをコピーして作業すると、「物件台帳_最新」「物件台帳_最新2」のような複数のバージョンが生まれ、どの情報が正しいのか判断できなくなってしまうのです。
台帳の更新作業が属人化する
2つ目は、更新作業の属人化です。数千行におよぶ台帳の整合性を保てるのが社長や一部の管理者だけ、という状態は珍しくありません。
しかし、台帳の更新作業が特定の人に集中して属人化した場合、その人が不在になると、業務が止まるリスクがあります。
目視確認や転記などの手間が発生する
3つ目は、他の業務データとの断絶です。Excelの台帳と、現場の報告書が別々に管理されていると、巡回実績や売上集計を連動させられません。
結果として、「今月この物件を巡回したか」といった情報を目視で突き合わせる必要があり、売上集計や請求書作成でも転記作業が発生します。スタッフが大変なことはもちろん、残業代がかさむ理由にもなりますから、これは大きな問題といえるのではないでしょうか。
物件情報は「物件マスタ」として基幹システムで一元管理すべき理由
さて、こうした課題を根本から解決するには、物件情報をシステムの「マスタ情報」として管理することが有効です。マスタとは、システム内のさまざまな機能が共通して参照する基本データのことで、物件マスタを一度登録すれば、報告書作成・巡回管理・売上集計などがすべて同じ情報をもとに動くようになります。
写真付き報告書作成アプリ「Raccoon」の標準版では、物件名を登録して報告書を作成する、シンプルな運用が可能です。まずは現場の報告書をスマホで効率化したい企業に適しています。
一方、巡回頻度や担当者、オーナー情報、売上データなど、複雑な物件情報を立体的に管理したい場合は、カスタマイズ版の「RaccoonPro」が適しています。RaccoonProでは、企業ごとの管理項目に合わせて物件マスタを設計し、報告書や巡回管理と連動させることができるためです。
関連記事:物件管理に役立つマップ機能|全物件の地図化で担当割り当て・巡回・新規開拓を効率化!
RaccoonProの物件管理機能でできること
カスタマイズ版「RaccoonPro」の物件管理機能でできることとしては、下記3点が挙げられます。
- 既存のExcel台帳をシステムへ一括アップロード
- 担当者の割り当てと、担当者ごとの情報整理・集計
- 外出先からのオンラインでの物件情報の閲覧
それぞれ詳しく解説します。
既存のExcel台帳をシステムへ一括アップロード
まず、すでにExcelで管理している物件情報は、一括でシステムに取り込めます。数千件の物件を1件ずつ手入力する必要はなく、これまでの蓄積をそのまま活かして移行できるのが大きな利点です。
担当者の割り当てと、担当者ごとの情報整理・集計
次に、物件ごとに担当者を割り当てることで、担当者別に物件を一覧化したり、担当物件数や売上を集計したりできます。業務量の偏りが見えるようになり、担当替えや人員配置の判断もしやすくなります。
外出先からのオンラインでの物件情報の閲覧
さらに、物件情報をオンラインで確認できるため、営業担当が外出先からでもオーナー名や巡回頻度、報告内容を正確に把握できます。



「事務所に戻って台帳を確認する」という手間がなくなり、顧客対応のスピードと正確さが向上します。
関連記事:点検・巡回の「不正」はどう防ぐ?アプリで捏造・物件間違いをゼロにする方法を解説!
物件マスタ化を成功させる運用のポイント
物件マスタへの移行を成功させるには、事前のデータ整備が欠かせません。Excel台帳には表記ゆれや重複、更新漏れが含まれていることが多いため、移行前に「どの項目を正とするか」を決めておくことが重要です。
また、管理項目を設計する際は、現在の台帳をそのまま再現するだけでなく、巡回実績や請求書など「その情報を何に使うか」から逆算してみてください。物件ごとに報告書の送付先や形式が異なる場合も、マスタに登録しておけば出力時に自動で切り替える設計が可能です。
関連記事:写真報告アプリのレポート出力形式は?PDF・Excel・提出先別の帳票作り分けを解説!
4,000件の物件台帳をクラウド化した清掃会社の導入事例
関東地方で約4,000件のアパート日常清掃を手がけるある清掃会社(以下A社)では、物件情報をすべてExcelで管理していました。住所だけでなく、管理会社、オーナー、訪問頻度、それにもとづく巡回スケジュールまでが1つのExcelに集約されており、社長が毎日3時間かけて4,000行の台帳をメンテナンスしていました。
物件を巡回したかどうかも目視で確認していたうえ、売上集計や請求書作成もこのExcelが起点となっていたため、10名ほどいる営業担当が同時に編集することはできませんでした。やがてコピーされたファイルが複数でき、どれが最新の情報なのかわからない状態に陥っていました。
そこでA社はRaccoonProを導入し、物件台帳を物件マスタとしてクラウド化。既存のExcelデータを一括で取り込み、巡回スケジュールや巡回実績、売上集計までをシステム上で連動させました。その結果、社長が毎日3時間かけていた台帳のメンテナンス業務はゼロになりました。月あたりに換算すると、約60時間分の業務が削減されたことになります。
社長からは「台帳の管理から解放されて、ようやく営業や事業の方向性を考える時間が取れるようになった」との声が寄せられています。
このように、膨大な物件情報を多くのメンバーで扱う企業ほど、Excel管理には限界があります。物件情報をシステムのマスタとして一元化すれば、管理業務の負担を減らすだけでなく、営業活動や事業判断に活かせるデータ基盤を整えることも可能です。
物件管理のExcel脱却には写真報告アプリRaccoonProがおすすめ!
本記事では、Excelによる物件管理の課題と、物件情報を物件マスタとして一元管理する方法を解説しました。物件台帳は事業の中核データであり、同時編集や最新版管理、他業務との連動を考えると、クラウド上のシステムで管理するメリットは非常に大きいといえます。
まずは現場の報告書作成から効率化したい場合は、写真付き報告書作成アプリ「Raccoon」の標準版から始めてみてはいかがでしょうか。Raccoonは30日間の無料トライアルも可能なので、ぜひ一度お試しください。
物件マスタの構築や担当者別の集計、既存Excelからの移行まで含めて検討したい場合は、「RaccoonPro」の無料相談をご活用ください。




