アパートやマンションの清掃、ビル管理を手がける会社にとって、管理物件の数は事業の規模そのものです。一方で、物件が数百棟、数千棟と増えるほど、「どのエリアにどれだけ物件があるのか」「どのスタッフに任せるのが効率的か」といった全体像は、Excelの物件リストだけでは見えにくくなっていきます。
このような課題は、写真報告アプリRaccoonのフルカスタマイズ版「RaccoonPro」で実装できる、「マップ機能」で解決可能です。
今回はRaccoonProの「マップ機能」を活用し、物件管理における「担当割り当て」「巡回」「新規開拓」を効率化する方法を見ていきましょう。
物件管理で地図が必要になる3つの場面
管理物件が増えてくると、次のような場面で「地図で情報を確認できれば…」と感じることが多くなるのではないでしょうか。
- 管理物件の分布が把握できず、営業やエリア戦略に活かせない
- スタッフへの担当割り当てが、ベテランの勘に頼っている
- 複数物件を回るときの巡回ルートが非効率になりやすい
1つ目は、営業・エリア戦略を立てたい場面です。Excelなどで管理している物件リストは、住所の文字情報にすぎないため、「このエリアに何棟あるか」「どこに空白地帯があるか」が直感的には分かりません。実際、「物件情報をマップ上にプロットできれば、視覚的に戦略を考えられるのに…」という悩みは、当社にもよく寄せられます。
2つ目は、担当割り当てを考えたい場面です。新しく物件管理を受託したとき、誰の担当にするかを決めるには、スタッフの住まいや既存の担当物件との位置関係を把握している必要があります。この判断が営業所長やベテラン社員の頭の中にしかないと、割り当て作業の属人化が進み、担当者が不在のときに業務が止まってしまいます。
3つ目は巡回ルートを考える場面です。1日に複数の物件を回る清掃スタッフや管理担当者にとって、回る順番や移動経路は作業時間に直結します。ルートを考えるために、物件ごとに住所を地図アプリへ入力し直していると、それだけで手間も時間もかかります。「管理に使っている報告アプリで、最初からマップに物件情報がプロットされていれば、効率的にルートを立てられるのに…」と思っている方もいるのではないでしょうか。
これらの課題は、フルカスタマイズ版「RaccoonPro」にマップ機能を実装すれば、いずれも解決できます。
RaccoonProのマップ機能で実現できること
RaccoonProの「マップ機能」でどのような効率化が実現するのか、代表例を見ていきましょう。
- 位置情報記録機能|GPS記録で「現場にいたこと」を証明
- 全物件マップ機能|管理物件マップで全物件の分布を可視化
- 清掃スタッフの所在地表示機能|スタッフの所在地を地図に重ねて担当割り当てを最適化
- ルートマップ機能|現在地から近くの物件を探す「ついで巡回」を効率化
位置情報記録機能|GPS記録で「現場にいたこと」を証明
地図活用の第一歩として、多くの会社が取り入れやすいのが、写真報告アプリの位置情報記録です。スマートフォンで現場写真を撮影すると、そのときの撮影者の緯度経度が自動で記録されます。報告書に「いつ・どこで撮影したか」が残るため、オーナーや管理会社に対して、実際に現場で作業したことを客観的に示せます。
このGPS記録は、標準版の写真付き報告書作成アプリ「Raccoon」でも利用可能です。
ただし、ここで押さえておきたいのは、この機能は「撮影した場所を記録する」ものであり、「管理物件の位置をあらかじめ登録して地図で管理する」ものではない点です。これ以上の機能が必要な場合は、フルカスタマイズ版「RaccoonPro」で、追加のマップ機能を実装する必要があります。
「フルカスタマイズ版にするかどうか、すぐには決められない」という場合、まずは報告の信頼性を高める手段として、標準版の「Raccoon」で、GPS付きの写真記録から始めるのが現実的です。
関連記事:現場作業の「証明」には写真報告アプリがおすすめ!GPS(場所)と写真(作業記録)を自動連携する方法を紹介
全物件マップ機能|管理物件マップで全物件の分布を可視化
ここから、フルカスタマイズ版「RaccoonPro」で実現する、より踏み込んだマップ活用法を見ていきましょう。
マップ活用機能として、とくに実装要望が多いのが、物件そのものの位置情報を登録して地図で管理する機能です。(以下、全物件マップ機能)
物件マスタ(物件の基本情報をまとめた台帳)に緯度経度を持たせれば、管理しているすべての物件を地図上にピンで表示できます。ピンをクリックすると物件名と住所が表示され、そこから物件の詳細情報へ移動できるようにしておくと、地図がそのまま物件台帳の入り口になります。
この全物件マップ機能が特に力を発揮するのが、新規開拓の営業です。清掃会社が不動産管理会社を訪問した際に、地図を見せながら「このエリアでは、これだけの数の物件を清掃しています」と説明できれば、実績の説得力は大きく変わります。物件が密集しているということは、近くにスタッフがいて、移動のムダが少なく、急な依頼にも対応しやすいということです。物件の「数」と「密度」を一目で伝えられることが、地図の最大の営業効果と言えるでしょう。
こうした機能は、一般的な報告アプリの標準機能には含まれないことが多く、自社の物件データや業務フローに合わせた設計が必要です。
そのため、写真報告アプリをベースに、物件マスタや地図表示まで自社仕様で構築できる、フルカスタム開発の「RaccoonPro」を活用する企業が多いのです。

清掃スタッフの所在地表示機能|スタッフの所在地を地図に重ねて担当割り当てを最適化
全物件マップに、清掃スタッフの所在地(自宅や拠点)を別の色のピンで重ねて表示すると、担当割り当ての判断が格段に楽になります。新しく受託した物件の周辺にどのスタッフが住んでいるかがすぐにわかるため、通勤や移動の負担が少ない担当者を選べるためです。スタッフの急な欠勤や退職で代わりを探すときも、近くにいる人を地図上で探せます。
このように、「誰に任せるか」を地図で判断できるようになると、割り当てがベテランの記憶に頼らない仕組みに変わります。 営業所長が不在でも、地図を見れば他の社員が同じ判断をできるようになります。
なお、スタッフの住所は個人情報です。そのため、地図に表示する場合は、閲覧できるのを管理者に限定する、取得時に利用目的を本人に伝えておく、といった配慮を忘れないようにしてください。このような閲覧制限も、「RaccoonPro」なら実現できます。
ルートマップ機能|現在地から近くの物件を探す「ついで巡回」を効率化
全物件マップをスマートフォンで開き、現在地を表示すれば、今いる場所の近くにある管理物件をすぐに確認することも可能です。別件で外出した営業担当者や管理者が、帰り道に近くの物件の様子を確認する「ついで巡回」がしやすくなり、わざわざ巡回のためだけに出向く回数を減らせます。
とくに、1日に複数の物件を回る場合には、ルートマップ機能が便利です。その日に予定している物件の緯度経度を経由地としてGoogleマップに渡せば、ルートを一度に表示できます。あとはGoogleマップアプリのナビゲーションを使って移動するだけです。物件ごとに住所を入力し直す手間がなくなり、土地勘のない新人スタッフでも迷わず現場を回れます。
関連記事:賃貸物件の巡回管理アプリの選び方!不動産会社向けのポイントを解説

物件マップ導入のポイントは住所から緯度経度を整えること
物件を地図に表示するには、各物件の緯度経度が必要です。こう聞くと、「管理物件すべての緯度経度を調べるとなると、相当の手間がかかるのでは?」と不安に思う方もいるかもしれません。
しかし、一件ずつ地図で調べる必要はありません。地図サービスのAPI(外部のサービスをシステムから呼び出す仕組み)などを使えば、アプリに登録済みの住所から、緯度経度を自動で取得できます。
もし、Excelなどでまとめた既存の物件リストがある場合は、住所データを整えたうえで、それをアプリ用に一括して変換すると、スムーズに移行できます。
ただし、自動取得した位置が実際の建物から少しずれることもあります。敷地の広い物件や新築の建物、表記ゆれのある住所などが典型例です。
このため実務的には、取得した緯度経度を画面上で確認し、必要に応じて手動で補正できるようにしておくことが大切です。もちろん「RaccoonPro」なら、手動補正機能も実装可能です。
また、解約した物件を「無効」にして地図から外すなど、物件マスタを日々更新する運用ルールもあわせて決めておきましょう。
あわせて、利用する地図サービスによって、取得したデータの保存や表示に関する利用規約が異なるため、導入時に確認しておくことも大切です。

【導入事例】アパート3,000棟を管理する清掃会社 G社のマップ機能活用術
ある首都圏の清掃会社 G社では、アパートを中心に約3,000棟の共用部清掃を請け負っていました。物件情報は社長がExcelの一覧で管理しており、物件の位置情報はGoogleマップのマイマップ機能に都度登録するということでした。
そのため、G社は大きく分けて4つの課題を抱えていました。
- 不動産管理会社へ営業に行っても、「このあたりにもたくさん物件があります」と口頭で説明するしかない
- 新しく受託した物件の清掃担当者を決めるたびに、営業スタッフが「物件の住所」と「スタッフの住まい」を一件ずつ、Googleマップのマイマップ機能で調べなければならない
- 営業スタッフが外出しても、近くに管理物件があるのか分からない
- 清掃スタッフが複数の物件を車で巡回する際に、移動がスムーズでない
そこでG社はRaccoonProを導入し、物件マスタに緯度経度を登録して全物件とスタッフの所在地を色分けして表示するマップ、現在地の表示、その日の予定物件をGoogleマップに渡すルートマップ機能を導入しました。
これによりG社には、先述した課題解決をふくむ、多くの変化が生まれました。
1つ目の変化は、新規開拓の営業です。社長や営業スタッフが管理会社への提案時にタブレットで全物件マップを見せ、「このエリアでは、これだけの物件を清掃しています」と説明するようにしたところ、物件の多さと密度が一目で伝わるようになりました。その結果、新規提案の成約率は大幅に向上しました。「これだけやっていれば任せて安心だね」となりますし、そもそもスタッフが近所に住んでいれば、移動の負担が少ないことも一目瞭然です。
2つ目は、清掃担当者の割り当てです。新規物件の周辺に住むスタッフを地図上ですぐに確認できるようになり、新規清掃担当者を決める作業は1件あたり約30分から5分程度に短縮されました。社長だけでなく、営業スタッフでもアプリ上の地図を見て判断できるようになりました。
3つ目は、営業スタッフの「ついで巡回」です。営業活動や清掃現場の確認などで外出した際に、スマートフォンで現在地周辺の管理物件を確認しするのが簡単になったため、気軽に立ち寄れるようになりました。営業スタッフが現場の確認もできるようになったので、清掃スタッフの清掃品質もアップして顧客満足度も上がりました。
4つ目は、清掃スタッフの移動補助です。1人のスタッフは1日あたり5~6件の物件を巡回清掃しますが、RaccoonProでは物件の位置情報をGoogleマップアプリに渡すことでルート案内が簡単になりました。清掃スタッフはマイカーで移動しているため、特に入社まもない人や、新規物件の対応において、このマップ機能により車の移動が非常にスムーズになり迷わずに現場を回れるようになりました。
このように、G社はRaccoonProの導入において、物件の位置情報を的確にマップ機能に集約することで、営業・管理・現場のそれぞれの立場で業務の効率化を実現できるようになりました。
上記G社は3000棟という多くの物件を管理していましたが、500棟規模の物件管理をされている企業様でも同じようなお悩みを抱えているのではないでしょうか。その場合、RaccoonProのマップ機能を活用すれば、日々の業務をスムーズ快適にできる可能性があります。
物件管理のマップ活用には写真報告アプリRaccoonRroの活用がおすすめ!
本記事では、物件管理にマップを活用する方法を解説しました。撮影時のGPS記録で作業を証明することから始まり、全物件マップによる分布の可視化、スタッフの所在地を重ねた担当割り当て、現在地表示やルートマップによる巡回の効率化まで、地図は物件管理のさまざまな場面で役立ちます。
物件マップや担当割り当てなど、自社の業務に合わせた仕組みまで構築したい場合は、フルカスタム開発の「RaccoonPro」をご検討ください。
標準版「Raccoon」は30日間の無料トライアルも可能なので、ぜひ一度お試しください。



