2025年5月に可決・成立した改正区分所有法が、2026年4月1日から施行されます。24年ぶりの大幅改正となる今回の法改正は、老朽化マンションの管理と再生の円滑化を目的としており、決議要件の緩和や管理計画認定制度の拡充など、マンション管理のあり方を根本から見直す内容が盛り込まれています。
そして、区分所有法改正に向けて管理会社に求められているのが、日常的な点検・巡回記録の「質」と「透明性」を高めることです。
本記事では、マンション管理会社の経営者・実務担当者向けに、区分所有法改正のポイントと、点検記録のデジタル化による具体的な対応策を解説します。
2026年区分所有法改正の3つのポイント
今回の改正は大きく3つの柱で構成されています。
- 決議要件の緩和
- 所在不明区分所有者の決議からの除外
- 管理計画認定制度の拡充
管理会社として押さえておくべきポイントを整理します。
決議要件の緩和
現行制度では、マンションの建替え決議には区分所有者の5分の4の賛成が必要です。改正後も原則としてこの割合は維持されますが、耐震性不足や外壁の剥落等により安全性が確保されないマンションについては、4分の3に引き下げられます。
共用部分の変更決議についても、瑕疵による権利侵害のおそれがある場合は、現行の4分の3から3分の2へと緩和されます。これにより、これまで合意形成が困難だった大規模修繕や設備更新が進めやすくなることが期待されています。
所在不明区分所有者の決議からの除外
改正前は、連絡が取れない区分所有者も決議の母数に含まれていたため、事実上の反対票として合意形成の妨げになっていました。改正後は、裁判所の認定を受けた所在不明区分所有者を全ての決議の母数から除外できるようになります。
高齢化や相続未登記の増加により所在不明者が増えている現状を踏まえると、管理会社にとっても実務上のメリットは大きいでしょう。
管理計画認定制度の拡充
管理計画認定制度とは、「マンションの管理状況が一定の基準を満たしていること」を自治体が認定する制度です。今回の改正では、認定を受けたマンションに対する優遇措置が拡充されます。認定を受けることで住宅ローンの金利優遇を受けられる場合があるほか、マンションの資産価値維持にもつながります。
つまり管理の「質」が、これまで以上にマンションの市場価値に直結する時代になるのです。
区分所有法改正は管理会社にどう影響するのか
法改正そのものは、区分所有者や管理組合に向けた内容が中心ですが、実務を担う管理会社にも大きな影響があります。
まず、決議要件が緩和されることで、大規模修繕や設備更新の案件が増加する可能性があります。これまで「合意が取れない」ことを理由に見送られてきた修繕計画が動き出せば、管理会社には修繕前後の状態を記録し、管理組合やオーナーに適切に報告する体制が求められます。
次に、管理計画認定制度の拡充により、日常的な点検・巡回の記録がこれまで以上に重要になります。認定を取得・維持するためには、点検が定期的に実施されていること、その記録が適切に保管されていること、管理組合に対して透明性の高い報告が行われていることが前提条件となるためです。
しかし多くの中小管理会社では、点検記録を紙の報告書やExcelファイルで管理しているのが実情です。担当者ごとに書式が異なる、保存場所が属人的、過去の記録を検索するのに時間がかかる、といった課題を抱えたままでは、管理計画認定に耐えうる記録体制を整えることは困難でしょう。
こうした課題の解決策となるのが、点検記録のデジタル化です。
管理業務にクラウド型の写真報告アプリを導入することで、点検記録の質と管理精度を大幅に向上させることができます。
区分所有法改正に向けて写真報告アプリを導入するメリット
管理会社が区分所有法改正に向けて、クラウド型の写真報告アプリを導入するメリットとしては、次の3点が挙げられます。
- 管理記録の質を標準化できる
- データの長期保存・即時検索が実現する
- 管理組合への報告の透明性が向上する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
管理記録の質を標準化できる
1つ目の効果は、記録の標準化です。あらかじめ設定されたフォーマットに沿って撮影・入力する仕組みにすれば、担当者によるバラつきがなくなります。「A担当者の報告書は写真が3枚、B担当者は8枚」といった品質差は、フォーマットの統一で解消できます。
データの長期保存・即時検索が実現する
2つ目の効果は、データの長期保存と即時検索です。クラウド上に物件情報と紐づけて保存されるため、数年前の点検記録でもすぐに呼び出せます。管理計画認定の申請時に過去の点検実績を提出する場合にも、必要な記録を素早く取り出すことが可能です。
管理組合への報告の透明性が向上する
3つ目の効果は、管理組合への報告の透明性向上です。写真付きの報告書をリアルタイムで共有できるため、「いつ・誰が・どこを・どのように点検したか」が明確になります。報告の信頼性が高まれば、管理組合からの評価向上にもつながるでしょう。
こうした点検記録のデジタル化に最適なのが、スマートフォンで写真を撮影するだけで報告書が自動生成される写真付き報告書作成アプリ「Raccoon」です。物件ごとに点検記録を一元管理でき、過去の報告書もクラウド上でいつでも閲覧・検索できます。
管理計画認定の取得を見据えた記録体制の構築方法
さて、管理計画認定を取得・維持するうえで、管理会社側が整備すべき記録体制には大きく3つのポイントがあります。
- 定期点検のスケジュールと実施記録を可視化する
- 修繕履歴と点検記録を紐づけて管理する
- オーナーや管理組合への報告フローを整備する
定期点検のスケジュールと実施記録を可視化する
1つ目は、定期点検のスケジュールと実施記録を可視化することです。「いつ点検を実施したか」を客観的に証明できる記録がなければ、認定審査において不利になります。点検日時・担当者名・点検箇所が自動的に記録される仕組みを整えておくことが重要です。
修繕履歴と点検記録を紐づけて管理する
2つ目は、修繕履歴と点検記録を紐づけて管理することです。「この設備は過去にどのような不具合があり、いつ修繕したか」という時系列の記録は、長期修繕計画の精度向上にも役立ちます。管理組合に対して「なぜこの修繕が必要なのか」を説明する際にも、過去の記録が根拠資料となります。
オーナーや管理組合への報告フローを整備する
3つ目は、オーナーや管理組合への報告フローを整備することです。点検結果を速やかに共有できる仕組みがあれば、不具合の早期発見・早期対応が可能になります。報告の遅延や情報の行き違いによるトラブルも防止できるでしょう。
これらの記録体制を自社の業務フローに合わせて構築したい場合は、カスタマイズ対応が可能な「RaccoonPro」の活用がおすすめです。物件管理・スケジュール管理・報告書作成を一つのシステムに統合し、管理計画認定に必要な記録体制をまるごとデジタル化することができます。
点検記録のデジタル化でマンション管理の品質を向上させた事例
ある中小マンション管理会社では、管理物件約80棟の定期点検記録をExcelと紙の報告書で運用していました。担当者ごとに書式が異なり、過去の点検記録を探すのに1件あたり20分以上かかることもあったといいます。
管理組合の理事会で「点検報告書の内容が薄い」と指摘を受けたことをきっかけに、同社はクラウド型の写真報告アプリを導入しました。全物件で統一された撮影パターンとフォーマットを設定し、スマートフォンで撮影するだけで報告書が自動生成される体制に移行したのです。
導入後、報告書1件あたりの作成時間は約40分から15分に短縮されました。年間で換算すると、全社で約500時間の工数削減に相当します。
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それ以上に大きかったのは、管理組合からの評価の変化です。写真付きの報告書がリアルタイムで共有されるようになったことで、「点検の内容が具体的でわかりやすくなった」「不具合の報告が早くなった」という声が寄せられ、契約更新時の交渉もスムーズになりました。同社はこの記録体制をベースに、管理計画認定の取得支援サービスを新たに開始し、管理組合からの信頼獲得と新規受託の拡大につなげています。
マンション管理会社の点検記録デジタル化には写真報告アプリRaccoonがおすすめ!
2026年4月施行の区分所有法改正により、マンション管理の透明性と記録保全の重要性はこれまで以上に高まります。決議要件の緩和によって修繕・更新案件が増加し、管理計画認定制度の拡充により点検記録の「質」が管理会社の競争力を左右する時代が到来しようとしています。
こうした変化に対応するためには、点検記録をデジタル化し、標準化された報告体制を構築することが不可欠です。紙やExcelに依存した管理体制のままでは、認定取得はもちろん、管理組合からの信頼を維持することも難しくなるでしょう。
写真付き報告書作成アプリ「Raccoon」は30日間無料でトライアル可能です。まずは主要な点検業務から導入を始め、法改正の施行に向けた記録体制の整備を進めてみてはいかがでしょうか。


