アパート入居時の室内点検はどう記録する?退去トラブルを防ぐ写真管理術を紹介!

不動産管理業務の効率化

賃貸管理業務において、最も相談件数が多いトラブルの一つが「退去時の原状回復費用」に関するものです。東京都庁に設けられている賃貸住宅のトラブルに関する相談窓口で、最も多く相談が寄せられているのは「退去時の敷金精算」、つまり「原状回復費用の請求」に関するものであり、2016年のデータでは相談全体の38%を占めていました。

「この傷は入居時からあった」「いや、なかった」という水掛け論は、オーナーにとっても入居者にとっても、そして間に入る管理会社にとっても大きなストレスとなります。国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」が一般的になった昨今でも、こうしたトラブルは後を絶ちません。

原状回復に関するトラブルは、入居時にあった損耗か否かや、損耗の発生時期などの事実関係が判然としないことが大きな原因の一つとなっています。つまり、入居時点での室内状態を適切に記録しておけば、退去時のトラブルの多くは未然に防げるのです。

本記事では、賃貸管理会社の実務担当者向けに、入居時の室内点検記録を効果的に残す方法と、写真管理の効率化について解説します。

執筆者
Raccoon開発者
牧野雄一郎

中小企業診断士・プログラマー・トライプランニング取締役
精密機器メーカーでの製造業エンジニアの出身、現在は中小企業向けフルカスタムのアプリ開発で、設計、実装、運用を全てこなすフルスタックエンジニアとして活躍中。製造業出身+診断士+プログラマーとして、経営と現場の両方にとって有益で使いやすい情報システム開発を実現していることが特徴。

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入居時の室内点検で意識すべきポイント

原状回復トラブルを防ぐために、入居時の室内点検で意識すべきポイントとしては、次のような例が挙げられます。

  • 現況確認書は「間取り図付き」で作成する
  • 入居者任せにしない点検体制を構築する
  • 「全体写真」と「詳細写真」を組み合わせる

それぞれのポイントについて、詳しく見ていきましょう。

現況確認書は「間取り図付き」で作成する

入居時の室内状態を記録するために、多くの管理会社では「現況確認書」を作成しています。しかし、多くの現況確認書は文章のみ記載するもので、具体的にどの場所にどのような傷があるのか特定し辛いという問題があります。

「リビングの壁に傷あり」という記載だけでは、退去時に「この傷のことですか?」と確認しようとしても、どの壁のどの位置なのか特定できません。現況確認書には必ず「間取り図」を入れることで、傷や汚れの位置を視覚的に示すことができます。

間取り図上に番号を振り、各番号に対応する形で傷や汚れの詳細を記載すれば、退去時に「この傷は間取り図の3番の位置にあったもの」と明確に照合できます。

入居者任せにしない点検体制を構築する

不動産業界でよく行われているのは、契約時または物件引き渡し時に現況確認書を渡し、入居後1週間以内に入居者自身が室内をチェックして返送してもらうという方法です。しかし、返送されず記録が残らないことや、「これは入居時にあったけど、気にならなかったので記入しなかった」と反論されるといったトラブルが発生します。

「返送がない場合は破損・汚損はなかったものとする」と一筆書いてあっても、破損・汚損の立証責任は貸主側にあるため、それだけでは通用しないのが実情です。

借主任せだと認識の相違や未返送などのトラブルが発生する可能性があるため、賃貸管理会社や媒介業者が物件をチェックして破損・汚損等を現況確認書に記載することが理想的です。管理会社側で点検を実施し、その結果を入居者に確認・署名してもらう流れにすることで、記録の信頼性が大きく向上します。

「全体写真」と「詳細写真」を組み合わせる

室内点検で写真を撮影する際は、以下の2種類の写真を組み合わせることが重要です。

1つ目は「全体写真」です。各部屋の全景を撮影し、室内全体の状態を記録します。壁1面に対して写真1~2枚を目安に撮影していきましょう。最近のスマートフォンは性能が良いため、一眼レフカメラなどを用意しなくてもスマートフォンで十分です。

2つ目は「詳細写真」です。傷や汚れがある箇所は、近寄って傷の状態がわかる写真も撮影します。全体写真だけでは傷の大きさや程度が伝わりにくいため、詳細写真と組み合わせることで、退去時の比較がしやすくなります。

撮影すべき主な箇所としては、玄関ドア・鍵・下駄箱、各部屋の天井・壁・床、キッチン(流し台・戸棚類・換気扇)、浴室(浴槽・壁・床・換気扇)、トイレ(便器・壁・床)、洗面所、収納内部、バルコニー・ベランダ、エアコン・照明器具などの設備があります。

入居時の室内点検記録でよくある課題と解決策

さて、上記3点を意識して現況確認書・写真を用意したとしても、まだ解決すべき課題が存在します。それは写真データの管理方法です。

多くの管理会社では、入居時に撮影した写真をパソコンのフォルダに保存したり、Excelに貼り付けて管理したりしています。しかし、管理戸数が増えてくると、この方法には限界が生じます。

「あの物件の入居時写真はどこに保存したか」と探すだけで時間がかかる、担当者が異動や退職すると保存場所がわからなくなる、パソコンの容量が圧迫される、といった問題が発生します。特に数年後の退去時に入居時の写真を探そうとしても、当時の担当者はすでにおらず、ファイル名やフォルダ構成のルールも不明確で、結局見つからないというケースは珍しくありません。

また、入居者から「入居時の写真を見せてほしい」と求められた際に、すぐに提示できない状況は管理会社としての信頼を損ねます。写真データを適切に管理し、必要なときにすぐ取り出せる体制を整えることが重要です。

こうした課題を解決するには、クラウド型の写真報告アプリを活用するのが効果的です。クラウド上に写真データを保存・管理することで、物件ごと・部屋ごとに整理された状態で写真を蓄積でき、必要なときにいつでも検索・閲覧できるようになります。

とくにおすすめなのが、スマートフォンで撮影した写真をそのままクラウドに保存し、物件情報と紐づけて管理できる写真付き報告書作成アプリ「Raccoon」です。入居時点検の写真も、退去時の比較用写真も、同じシステム上で一元管理できるため、数年後の退去時にも入居時の記録をすぐに呼び出すことができます。

入居時の室内点検に使う写真報告アプリの選び方

さて、写真報告アプリにはいくつか種類がありますが、入居時の室内点検に使いたい場合、次の機能があるかを確認してみてください。

  • 入居者自身に撮影してもらう機能
  • 撮影パターン機能

どのような機能なのか、それぞれ詳しく解説します。

入居者自身に撮影してもらう機能

入居時の室内点検を管理会社側で実施するのが理想的とはいえ、すべての物件で立会い点検を行うには人手も時間もかかります。特に繁忙期には、限られたスタッフで多くの入居手続きをこなさなければなりません。

こうした場合に有効なのが、入居者自身に室内状態を撮影してもらう「外部撮影依頼」の仕組みです。管理会社からURLを送付し、入居者がスマートフォンで撮影した写真を直接クラウドにアップロードしてもらいます。

入居者側も、自分で撮影して提出した記録が残ることで、「最初からあった傷なのに請求された」という不安を解消できます。管理会社と入居者の双方にとってメリットのある仕組みです。

写真報告アプリ「Raccoon」には、この外部撮影依頼機能があるため、多くの不動産管理会社にご利用いただいています。

撮影パターン機能

入居者任せの撮影では、撮り忘れや撮影箇所のばらつきが心配です。この問題を解決するのが「撮影パターン」機能です。

あらかじめ「玄関→リビング壁面→リビング床→キッチン→浴室→トイレ→洗面所→寝室」といった撮影順序と箇所を設定しておけば、入居者は画面の指示に従って撮影するだけで、必要な箇所をもれなく記録できます。撮影パターンに沿って撮影することで、誰が撮影しても同じ品質の記録が残せるのです。

RaccoonPro」では、こうした撮影パターンを自社の業務フローに合わせてカスタマイズできます。物件タイプごとに撮影パターンを分けたり、チェック項目を追加したりすることも可能です。

入居時点検記録を活用した退去立会いの進め方

それでは、写真報告アプリを入居時の室内点検に取り入れた場合、退去立ち合いがどのように進むのかも紹介します。

退去時の立会いでは、入居時に撮影した写真と見比べながら、室内をチェックしていきます。

入居時の記録がクラウド上で整理されていれば、立会い当日にスマートフォンやタブレットで過去の写真を呼び出し、その場で「この傷は入居時からあったもの」「この汚れは入居中に発生したもの」といったことを簡単に確認できます。

また、不動産業者側が現況確認書を作成して説明すると、過度な破損・汚損の発生率が非常に低くなるという副次的な効果も報告されています。入居時にしっかりと記録を残し、入居者にも説明することで、「丁寧に使わなければ」という意識付けにもつながるのです。

そもそも原状回復費用の請求でトラブルになるケースの多くは、入居者が「なぜこの費用を払わなければならないのか」を納得できていないことに起因します。しかし入居時の写真という客観的な証拠があれば、「この部分は入居時にはなかった傷です」と具体的に説明できるでしょう。。

あわせて、国土交通省が発表している『原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)』を持参しておくと、入居者から質問された際に根拠を持って返答できるため、ガイドラインと入居時記録を組み合わせて活用してみてください。

関連記事:不動産の退去立会いトラブルを防ぐには写真報告アプリがおすすめ!【管理会社向け】

写真報告アプリで入居時点検を効率化した事例

ある不動産管理会社では、入居時の室内点検に大きな負担を感じていました。デジカメで撮影した写真をパソコンに取り込み、物件ごとのフォルダに分類し、Excelの現況確認書に貼り付けるという作業に、1件あたり30分以上かかっていたのです。

さらに問題だったのが、数年後の退去時に入居時の記録を探すのに時間がかかることでした。担当者が変わっていたり、保存場所が不明確だったりして、「入居時の写真が見つからない」というケースも発生していました。結果として、原状回復費用の請求で入居者と揉めることもありました。

同社がクラウド型の写真報告アプリを導入したところ、入居時点検の作業時間は1件あたり約20分に短縮されました。スマートフォンで撮影するだけで自動的にクラウドに保存され、物件情報と紐づいた状態で管理されるため、フォルダ分けの手間もなくなりました。

退去時には、システム上で入居時の写真をすぐに呼び出せるため、立会いの場で入居者と一緒に比較確認ができるようになりました。「入居時にはなかった傷ですね」と写真を見せながら説明することで、入居者の納得も得やすくなり、原状回復トラブルは大幅に減少しています。

入居時点検記録を定着させるためのポイント

さて、せっかく写真報告アプリを導入しても、社員が面倒に感じて使わなければ意味がありません。入居時点検記録を定着させるためにも、ぜひ次の2点を意識してみてください。

  • 点検業務を標準化する
  • 操作性のいい写真報告アプリを選ぶ

点検業務を標準化する

入居時点検の記録を確実に残すには、業務フローとして標準化することが重要です。「時間があれば撮影する」ではなく、「入居前に必ず撮影する」というルールを設けましょう。

所要時間は1Kやワンルームなら20分前後、2LDKや3LDKであれば30~40分くらいとされています。この時間で原状回復トラブルを防止でき、費用請求もスムーズになるのであれば、投資する価値は十分にあります。

操作性のいい写真報告アプリを選ぶ

入居時点検用のツールを選ぶ際は、操作のシンプルさ、物件情報との紐づけ機能、長期保存への対応、退去時との比較のしやすさ、外部撮影依頼への対応などを確認しましょう。

現場のスタッフが日常的に使うツールであるため、「誰でも迷わず操作できる」シンプルさは特に重要です。高機能でも使いこなせなければ定着しません。

写真報告アプリ「Raccoon」は簡単に操作できることも強みで、導入後に「使い方が分からず困った」という問い合わせはほとんどありません。使い勝手のいい写真報告アプリを導入したい場合は、ぜひRaccoonをお試しください。

入居時点検の効率化には写真報告アプリRaccoonがおすすめ!

退去時の原状回復トラブルを防ぐには、入居時点での室内状態を適切に記録しておくことが最も効果的です。現況確認書は間取り図付きで作成し、全体写真と詳細写真を組み合わせて撮影することで、退去時の比較がしやすくなります。

写真データの管理には、クラウド型の写真報告アプリを活用するのがおすすめです。物件情報と紐づけて長期保存でき、数年後の退去時にもすぐに入居時記録を呼び出せます。外部撮影依頼機能や撮影パターン機能を活用すれば、入居者自身に撮影してもらう場合でも品質を担保できます。

入居時点検の効率化と記録の確実な管理により、退去トラブルを未然に防ぎ、入居者・オーナー双方からの信頼向上につなげましょう。写真付き報告書作成アプリ「Raccoon」は30日間無料でトライアル可能です。ぜひ一度お試しください。

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執筆者
Raccoon開発者
牧野雄一郎

中小企業診断士・プログラマー・トライプランニング取締役
精密機器メーカーでの製造業エンジニアの出身、現在は中小企業向けフルカスタムのアプリ開発で、設計、実装、運用を全てこなすフルスタックエンジニアとして活躍中。製造業出身+診断士+プログラマーとして、経営と現場の両方にとって有益で使いやすい情報システム開発を実現していることが特徴。

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