オフィスビル、商業施設、工場、学校、介護施設など、あらゆる建物に欠かせないのが空調設備です。快適な室内環境を維持するための空調設備は、定期的な保守点検によってその性能と安全性が保たれています。そして業務用の空調設備には、法律に基づく点検義務が課されていることをご存じでしょうか。
そして空調設備の保守点検を担う事業者にとって、点検作業そのものに加えて、点検記録の作成と管理も大きな業務負担となっています。「点検のたびに紙の記録が増えていく」「記録の保存義務があるが管理が煩雑」「複数物件の点検履歴を把握しきれない」といった悩みを抱える方も多いのではないでしょうか。
本記事では、空調設備の保守点検を行うビルメンテナンス会社・設備保守業者の担当者に向けて、空調設備の点検記録をデジタル化して、保守業務を効率化する方法を解説します。点検記録の管理にお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
業務用空調設備の法定点検義務の概要
まず、業務用空調設備の点検義務について確認しておきましょう。業務用エアコンや冷凍冷蔵機器の多くには冷媒としてフロン類が使用されており、これらは「フロン排出抑制法(フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律)」の対象となります。
この法律では、フロン類を使用する業務用空調機器を「第一種特定製品」と位置づけ、その管理者に点検を義務付けています。点検には2つの種類があります。
- 簡易点検:すべての第一種特定製品が対象。3か月に1回以上の実施が必要
- 定期点検:一定規模以上(圧縮機の定格出力7.5kW以上)の機器が対象。1年または3年ごとに有資格者が実施
簡易点検は、すべての業務用空調・冷凍冷蔵機器を対象とした点検で、3か月に1回以上の実施が求められます。点検の実施者に資格の限定はなく、管理者自身でも実施できます。室外機や室内機の外観、異音・異常振動の有無、油漏れやさびの有無などを目視で確認します。
定期点検は、圧縮機の定格出力が7.5kW以上の機器を対象とした、より詳細な点検です。機器の規模に応じて1年ごとまたは3年ごとに実施し、十分な知見を有する有資格者が冷媒漏えいの有無などを専門的に検査します。
そして重要なのが、これらの点検結果は記録として作成・保存する義務があるという点です。点検年月日、点検内容、機器の情報などを記録し、適切に保管しておく必要があります。点検や記録を怠ると、違反内容によっては罰則の対象となる可能性もあります。
写真報告アプリで空調設備の点検記録をデジタル化するメリット
空調設備の点検記録を紙で管理している会社も多いかもしれません。しかし、もし次の点にメリットを感じる場合は、ぜひ写真付き報告書作成アプリ「Raccoon」のようなツールで、記録をデジタル化することを検討してみてください。
- 点検記録の保管スペースが不要になる
- 確認漏れを防ぎやすい
- 機器ごとに点検記録を紐づけやすい
それぞれのメリットについて、詳しく紹介します。
点検記録の保管スペースが不要になる
空調設備の点検記録を紙で残していると、膨大なスペースが必要になります。簡易点検は3か月ごと、つまり年4回実施されますから、多数の物件・機器を管理していると、点検記録は急速に積み上がっていくためです。
一方、写真報告アプリを点検ツールとして活用すれば、記録はすべてクラウド上で一元管理できます。これなら事務所内のスペースを圧迫することはありません。
また、紙という媒体は、構造的に紛失・劣化リスクを抱えています。法的に保存義務のある記録が失われれば、義務違反となる恐れがありますが、デジタル化したうえでバックアップ体制を整えておけば、こうしたリスク対策にもなります。
関連記事:写真報告アプリのバックアップはどうすればいい?企業向けにリスクを防ぐ基準を解説!
確認漏れを防ぎやすい
写真報告アプリで点検項目をテンプレート化しておくと、確認漏れを防ぎやすいこともポイントです。
たとえば簡易点検で確認すべき項目(庫内温度、異音・異常振動、外観の損傷、油漏れの有無など)をテンプレートとして登録しておけば、現場ではテンプレートに沿ってチェックと写真記録を進めるだけで済みます。
また、紙の点検記録と異なり、アプリならテンプレートの更新が必要な場合にも、すぐに対応できます。
機器ごとに点検記録を紐づけやすい
紙の点検記録は、履歴の追跡に難があります。空調設備の不具合は、過去の点検記録と照らし合わせることで原因が見えてくることがありますが、「この機器は前回も冷媒漏れの兆候があった」といった履歴を確認したくても、紙のファイルから探し出すのは容易ではありません。
一方、写真報告アプリによっては、空調機器ごとに個体識別情報を登録し、それぞれ点検記録を蓄積していくことも可能です。これにより、特定の機器の点検履歴を時系列で追えるようになり、不具合の予兆を早期に発見しやすくなります。
また、点検時に機器の状態を写真で記録しておけば、外観の劣化やさびの進行などを視覚的に把握できます。さらにGPSやタイムスタンプが自動記録されるツールであれば、いつ・どの現場・どの機器で点検したか客観的に証明できることもポイントです。
関連記事:現場作業の「証明」には写真報告アプリがおすすめ!GPS(場所)と写真(作業記録)を自動連携する方法を紹介
関連記事:写真報告書にタイムスタンプ機能は必要?証拠能力を高める撮影日時記録の重要性を解説!
なお、フロン点検記録の管理に特化したフォーマットや、点検スケジュールの自動管理、漏えい発見時の報告フローといった独自の仕組みを構築したい場合は、フルカスタマイズに対応した「RaccoonPro」のようなサービスの活用が有効です。
ビルメンテナンス会社が空調点検記録をデジタル化した事例
ある中堅のビルメンテナンス会社では、オフィスビルや商業施設など100件以上の物件で、空調設備の保守点検を請け負っていました。各物件には複数の業務用空調機器が設置されており、簡易点検を3か月ごとに実施するため、年間の点検記録は膨大な量に上っていました。
紙の記録管理は限界に近づいていました。点検員は現場で紙の点検表に記入し、事務所に戻ってから内容をパソコンに転記。記録は物件ごとにファイリングしていましたが、保管スペースは圧迫され、過去の点検履歴を探すのにも時間がかかっていました。
そこで同社は、空調設備の点検記録を写真報告アプリでデジタル化しました。点検項目をテンプレート化し、機器ごとに点検結果と写真を現場でスマホ入力。記録はすべてクラウドに保存され、物件名・機器・点検日で検索できるようにしました。
導入の効果は明確に表れました。点検記録の転記作業がなくなり、点検1件あたりの記録業務にかかる時間は約20分から5分へと短縮されました。また、過去の点検履歴を機器単位で追えるようになったことで、不具合の予兆を早期に発見し、緊急対応の件数が前年比で約30%減少しました。
同社の保守部門の責任者は「機器ごとに履歴が見えるようになり、『そろそろこの機器は注意が必要』という予測ができるようになりました。点検記録が、単なる記録ではなく予防保全のデータとして活きています」と語っています。
このように、点検記録をデジタル化すれば、保守業務の効率化だけでなく、予防保全の質の向上にもつながります。
空調設備の点検記録デジタル化には写真報告アプリRaccoonがおすすめ!
業務用空調設備には、フロン排出抑制法に基づく簡易点検(3か月ごと)と定期点検(一定規模以上は1年または3年ごと)の義務があり、点検記録の作成・保存も求められます。これを紙で管理すると、記録量の増大、履歴追跡の困難さ、保存義務への対応リスクといった課題が生じます。
写真報告アプリで点検記録をデジタル化すれば、点検項目のテンプレート化、機器ごとの履歴管理、写真による状態記録を実現でき、保守業務の効率化と予防保全の質の向上を同時に図れます。
写真付き報告書作成アプリ「Raccoon」なら、空調設備の点検結果を写真付きでデジタル記録し、クラウドで一元管理できます。フロン点検記録に特化した管理や点検スケジュールの自動化など、自社仕様の仕組みを構築したい場合は、フルカスタマイズ対応の「RaccoonPro」もご検討ください。Raccoonは無料トライアルも可能なので、ぜひ一度お試しください。
なお、フロン排出抑制法に基づく点検義務や記録の保存に関する具体的な要件は、最新の法令や環境省・経済産業省の情報をご確認のうえ対応してください。




