建設工事や設備工事が完了し、建物を引き渡す際に欠かせないのが「完成図書(竣工図)」です。
メンテナンスや改修工事の際にも重要な拠り所となる完成図書ですが、、その作成と管理には大きな手間がかかります。「工事写真の整理だけで膨大な時間がかかる」「書類が多すぎてまとめきれない」「過去の完成図書を探し出すのに苦労する」といった悩みを抱える施工管理者や建設会社の方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、建設会社・設備工事会社・施工管理担当者に向けて、竣工時の写真・書類をデジタルで効率的に整理・管理する方法を解説します。完成図書の作成負担にお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
完成図書とは
デジタル化について考えるために、改めて完成図書の役割を整理しておきましょう。
完成図書とは、建設工事の完了時に、その工事に関する図面・文書・写真などを整理してまとめた納品物です。建物の「取扱説明書」のような役割を持ち、引き渡し後の維持管理や、将来の改修・修繕の際に基礎資料となります。
完成図書に含まれる主な書類は、次のようなものです。
- 完成図(竣工図):実際に完成した状態を示す、設計からの変更も反映した図面
- 工事写真:後から確認できない不可視部分を含め、工事の各段階を記録した写真
- 施工計画書・施工管理記録:工事の実施方法や品質管理・工程管理の記録
- 各種試験成績書・検査結果:品質を裏付けるデータや法定検査の結果
- 取扱説明書・保証書:設備機器の取扱説明と保証に関する書類
これらの書類のなかでも、特に作成・整理の負担が大きいのが「工事写真」です。工事の各段階、とりわけ完成後には見えなくなる配管や配線などの不可視部分は、施工が適切に行われたことを証明する重要な記録となるため、多数の写真を撮影・整理する必要があります。
また、完成図書は長期間の保管が求められる点も特徴です。建設業法では、完成図(竣工図)などの営業に関する図書を一定期間保管することが定められており、建物は竣工後30年から50年といった長期にわたって使用されるため、その間の改修・メンテナンスの基礎資料として保管し続ける必要があります。
完成図書の作成・管理が抱える課題
さまざまな書類がまとめられた完成図書の作成と管理には、次のような課題が伴います。
- 工事写真の整理に手間がかかる
- 書類のとりまとめが大変
- 過去の完成図書の検索が難しい
工事写真の整理に手間がかかる
ひとつは、工事写真の整理に手間がかかることです。工事期間中に撮影した大量の写真を、工程別・場所別に整理し、完成図書に組み込む作業は非常に煩雑です。一件の工事で数百枚から数千枚の写真を扱うこともあり、整理だけで膨大な時間を要します。
書類のとりまとめが大変
もうひとつは、書類のとりまとめが大変なことです。完成図書は図面、写真、各種記録、保証書など多種多様な書類で構成されます。これらを漏れなく集め、整理し、一冊にまとめあげる作業は、施工管理者にとって大きな負担です。
過去の完成図書の検索が難しい
そして、過去の完成図書の検索が難しいことです。紙やファイルで保管していると、改修工事などで過去の完成図書を参照したいとき、目的の書類を探し出すのに苦労します。長期保管が前提となるだけに、検索性の悪さは管理上の大きな問題となります。
竣工時の写真・書類をデジタルで整理する方法
さて、先述した課題の多くは、写真や記録を「現場で取得した時点」からデジタルで整理することで軽減できます。
たとえば写真付き報告書作成アプリ「Raccoon」のようなツールを使って、工事の各段階で撮影した写真を現場で工程ごとに記録し、デジタルデータとして蓄積していけば、アナログ管理するよりは業務を効率化できるでしょう。
ただし完成図書の作成に特化したフォーマットや、工事写真台帳の自動作成、複数物件の完成図書を横断的に管理する仕組みといった独自の要件に対応したい場合は、フルカスタマイズに対応した「RaccoonPro」のようなサービスの活用が有効です。フルカスタマイズツールなら、自社の竣工・引き渡しフローに最適化した仕組みを構築できます。
また、完成図書の作成・管理をより効率化するためは、次のコツを意識してみてください。
- 工事写真を現場で工程ごとに記録する
- 写真と記録を一元的に蓄積する
- 長期保管を見据えたデータ管理を行う
それぞれ詳しく見ていきましょう。
工事写真を現場で工程ごとに記録する
まず、工事写真を現場で工程ごとに記録することです。施工の各段階で撮影した写真に、その場で工程名や撮影箇所のコメントを添えておけば、後から整理する手間が大きく減ります。GPSやタイムスタンプが自動記録されるツールであれば、いつ・どこで撮影したかも記録に残り、不可視部分の施工記録としての証明力も高まります。
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写真と記録を一元的に蓄積する
次に、写真と記録を一元的に蓄積することです。現場で取得した写真と記録をクラウド上に集約しておけば、完成図書をまとめる段階で、必要な写真をすぐに呼び出して整理できます。工事ごと・物件ごとにデータが整理されているため、写真の取り違えや紛失も防げます。
長期保管を見据えたデータ管理を行う
そして、長期保管を見据えたデータ管理を行うことです。完成図書は長期間の保管が求められるため、データとして保存しておけば、紙のような劣化や紛失のリスクなく保管できます。改修工事の際にも、過去の記録を検索ですぐに参照できます。
設備工事会社が完成図書の作成を写真報告アプリで効率化した事例
ある設備工事会社では、商業施設やオフィスビルの空調・給排水設備の工事を手がけており、工事完了ごとに完成図書を作成して発注者へ納品していました。しかし、完成図書の作成は施工管理者にとって最も負担の重い業務のひとつでした。
同社の課題は、工事写真の整理に集約されていました。施工管理者は工事期間中、配管の隠蔽前の状態や機器の据付状況など、多数の写真をデジタルカメラで撮影していました。工事完了後、これらの写真をパソコンに取り込み、工程別・場所別に分類し、工事写真台帳の形に整理する作業に、一件あたり数日を費やすこともありました。複数の現場を掛け持ちしていると、写真の管理がさらに煩雑になりました。
そこで同社は、工事写真の記録を写真報告アプリでデジタル化しました。施工管理者が現場で工程ごとに写真を撮影し、その場で工程名と撮影箇所を記録。写真は工事・工程別に自動で整理され、完成図書の工事写真部分をスムーズにまとめられる運用に変えました。
導入の効果は明確でした。完成図書の作成にかかっていた時間は1件あたり約3日から1日へと短縮され、施工管理者の事務作業の負担が大幅に軽減されました。また、写真がクラウドに蓄積されるようになったことで、引き渡し後に発注者から問い合わせがあっても、過去の施工写真をすぐに検索して対応できるようになりました。
同社の施工管理責任者は「写真の整理に追われる日々から解放されました。現場で記録すれば、完成図書づくりの大部分が片付いている状態になります。引き渡し後の問い合わせ対応も早くなりました」と語っています。
このように、竣工時の写真・書類を現場からデジタルで整理すれば、完成図書の作成負担を大きく減らせます。
完成図書の作成・管理には写真報告アプリRaccoonがおすすめ!
完成図書は、完成図、工事写真、各種記録、保証書などをまとめた、建物の引き渡しと維持管理に欠かせない重要な記録です。しかし、その作成・管理には、工事写真の整理、書類のとりまとめ、長期保管時の検索性といった課題が伴います。
写真報告アプリを活用し、工事写真を現場で工程ごとに記録し、写真と記録を一元的に蓄積すれば、完成図書の作成を大きく効率化できます。デジタルデータとして保管すれば、長期保管にも対応でき、改修工事や問い合わせ対応の際にもすぐに参照できます。
写真付き報告書作成アプリ「Raccoon」なら、竣工時の写真を現場で記録し、デジタルで整理できます。完成図書に特化した工事写真台帳の作成や複数物件の横断管理など、自社仕様の仕組みを構築したい場合は、フルカスタマイズ対応の「RaccoonPro」もご検討ください。Raccoonは無料トライアルも可能なので、ぜひ一度お試しください。
なお、完成図書に含めるべき書類や保管期間は、工事の種類や発注者の要件、関係法令によって異なります。具体的な要件は契約内容や最新の法令をご確認のうえ対応してください。



