給排水設備の点検記録はどうデジタル化する?排水管・受水槽の保守業務を効率化する方法を解説!

ビル管理業務の中で、給排水設備の点検は最も重要な業務の一つです。給水管・排水管・受水槽・高架水槽・ポンプなど、建物の水回りを構成するすべての設備は、利用者の生活や事業活動の根幹を支えています。一度のトラブルが断水・漏水・水質悪化につながり、入居者やテナントから厳しい指摘を受けることも珍しくありません。

そのため、給排水設備の点検記録は、品質の高さと参照のしやすさが求められます。ところが、多くの中小ビル管理会社では、点検記録を紙の点検表に手書きし、ファイリングして保管するという従来の運用を続けているのが実情ではないでしょうか。

そこで検討いただきたいのが、「写真報告アプリ」によって保守業務を効率化する方法です。

本記事では、給排水設備点検の重要性と点検項目を整理し、点検記録のデジタル化によって得られる業務改善効果を解説します。設備点検業務に携わるビル管理会社の方は、ぜひ業務改善のヒントとしてご活用ください。

執筆者
Raccoon開発者
牧野雄一郎

中小企業診断士・プログラマー・トライプランニング取締役
精密機器メーカーでの製造業エンジニアの出身、現在は中小企業向けフルカスタムのアプリ開発で、設計、実装、運用を全てこなすフルスタックエンジニアとして活躍中。製造業出身+診断士+プログラマーとして、経営と現場の両方にとって有益で使いやすい情報システム開発を実現していることが特徴。

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給排水設備点検が業務上重要な3つの理由

給排水設備の点検は、他の建築設備の点検と比べてもとくに重要性が高いとされています。その理由を整理してみましょう。

  • トラブルが入居者・テナントに直接影響する
  • 経年劣化が見えにくく予測が難しい
  • 修繕費用が大きく経営に直結する

1. トラブルが入居者・テナントに直接影響する

電気設備や空調設備のトラブルも生活に影響しますが、給排水設備のトラブルは特に深刻です。漏水によって階下の住戸や什器が被害を受けたり、断水によって生活そのものが成り立たなくなったり、排水管の詰まりで悪臭や逆流が発生したりと、影響は広範囲かつ即時的です。

利用者からのクレームが大きくなりやすい業務領域だからこそ、予防保全のための定期点検が欠かせません。

2. 経年劣化が見えにくく予測が難しい

給排水管は壁内や床下に埋設されていることが多く、外観からは劣化状態がわかりにくい設備です。突然の漏水で初めて劣化が発覚するというケースも少なくありません。

このため、点検時に小さな異変を見逃さず、過去の点検記録と照合しながら劣化の傾向を把握する作業が極めて重要です。

3. 修繕費用が大きく経営に直結する

給排水管の本格的な更新工事は、規模によっては数百万円から数千万円の費用を要します。突発的な漏水事故が発生してからの対応では、補修費用に加えて漏水被害の損害賠償も発生し、経営に大きな打撃となるでしょう。

予防保全による計画的な修繕は、コスト最適化の観点からも経営的に重要な意味を持ちます。

紙の点検表が抱える3つの課題

このように重要な給排水設備の点検を、紙の点検表で行い続けることには、以下のような課題があります。

第一に、写真記録との対応関係が曖昧になります。紙の点検表に「異常なし」と書いても、その判断の根拠となった写真がどれかわからなければ、後から見直すときに不便です。

第二に、過去履歴との比較が困難です。給排水設備の点検は、過去の状態と比較してこそ劣化傾向が見えてきます。紙の記録では、過去数年分を並べて比較するのに時間がかかりすぎます。

第三に、点検報告のスピードが遅いです。現場で点検した内容を本社や顧客に報告するには、事務所に戻って報告書を清書する必要があります。緊急性の高い不具合発見時にも、報告までにタイムラグが生じてしまうのです。

給排水設備点検のデジタル化で実現する5つの業務改善効果

ここまで紹介したような課題を感じている場合、ぜひ給排水設備点検をデジタル化することを検討してみてください。

とくに以下のような業務改善効果を魅力に感じる方こそ、写真報告アプリによるデジタル化がおすすめです。

  • 確認漏れや記録漏れを構造的に防げる
  • 点検作業中に報告書が同時進行で完成する
  • 異常発見時の即時報告が実現する
  • 過去履歴と即時比較できる
  • 修繕計画の根拠データを構築できる

確認漏れや記録漏れを構造的に防げる

ビル管理における給排水設備点検の主な項目は、以下のように整理されます。

第一に、給水関連設備の点検です。受水槽・高架水槽の状態、給水ポンプの作動状況、給水管の漏水有無、減圧弁・止水弁の状態などを確認します。

第二に、排水関連設備の点検です。排水管の流れ、排水ポンプの作動状況、グリストラップの状態、排水桝の詰まり、雨水排水の状態などを確認します。

第三に、設備機器類の点検です。揚水ポンプ、排水ポンプ、貯湯槽、給湯機などの稼働状況、運転音、振動、漏水痕などを確認します。

第四に、水質関連の点検です。残留塩素の測定、目視による濁度・色・臭気の確認などを行います。

これらの項目を漏れなく点検し、写真と所見で記録に残すには、紙の点検表だけでは限界があるでしょう。

一方、写真付き報告書作成アプリ「Raccoon」のような、点検項目をテンプレート化して写真と所見を同時記録できるサービスを使えば、確認漏れや記録漏れを構造的に防げます。

テンプレートに沿って点検すれば報告書が完成するため、新入社員でも問題なく対応できるでしょう。

点検作業中に報告書が同時進行で完成する

写真報告アプリを導入した場合、スマートフォンで写真を撮影し、テンプレートに沿って所見を入力していけば、点検作業が終わった時点で報告書の素材は完成しています。このため事務所での清書作業が大幅に削減され、現場の生産性が大きく向上するでしょう。

社員は早く帰宅できますし、会社としても残業代を減らせます。

関連記事:写真報告アプリの費用対効果はどのくらい?ROIの計算方法を紹介!

異常発見時の即時報告が実現する

漏水痕や設備異常を発見した際、その場で写真をクラウドにアップロードして本社・オーナーに通知できる体制があれば、対応のスピードが格段に上がります。重大なトラブル発生前に予防的な処置を施す余地が生まれ、修繕コストの最小化にもつながるでしょう。

関連記事:商業ビル管理の定期巡回報告書をクラウド化するメリットとは?即時報告がもたらす3つの価値を紹介!

過去履歴と即時比較できる

クラウド上に蓄積された過去の点検記録を、スマートフォン上でその場で参照できます。「3年前のこの配管の状態」「前回点検時の同じポンプの音や振動」と比較しながら点検することで、点検の質そのものが向上するでしょう。

修繕計画の根拠データを構築できる

複数年にわたる点検記録が蓄積されれば、設備ごとの劣化傾向が見えてきます。「この配管はあと何年もちそうか」「このポンプはそろそろ交換時期か」といった判断を、データに基づいて行えるようになり、計画的な修繕予算策定が可能になります。給排水設備のデジタル点検記録は、単なる事務効率化ツールではなく、トラブル予防の強力な武器にもなるということです。

たとえば、ある配管接続部の写真を毎回同じ角度から撮影し続けると、わずかな腐食や水滴の蓄積を経年変化として捉えられます。ポンプの異音や振動の所見を時系列で並べれば、故障の前兆を早期にキャッチできるかもしれません。

このような「兆候を捉える点検」は、紙の記録では実現が難しい運用です。クラウド上で蓄積された写真と所見を時系列で並べて参照できる仕組みがあってこそ、現場担当者の経験と勘を客観データで裏付けることができます。

関連記事:ビル管理会社の多店舗展開を支えるDX戦略!業務標準化のポイントを解説

より高度な給排水設備管理を実現するカスタム開発の選択肢

ここまで紹介した運用は、標準的な写真報告アプリで十分実現できます。多くの中小ビル管理会社にとっては、まずこのレベルでのデジタル化が現実的な第一歩となるでしょう。

一方、より高度な管理を目指す場合は、業務フローに合わせたカスタム開発が選択肢になります。たとえば、点検結果の数値データを自動集計して劣化トレンドをグラフ化する仕組み、設備ごとの修繕履歴と点検記録を統合管理する仕組み、修繕計画の自動立案を支援する仕組みなどです。

このような統合的な給排水設備管理を目指すなら、RaccoonPro」のような、企業の業務フローと管理対象に合わせてフルカスタムで開発できるサービスを検討するのが選択肢の一つです。

関連記事:定期点検のスケジュール管理はどうする?点検漏れを防ぐ仕組みづくりを解説!

関連記事:写真報告アプリに点検漏れアラート機能は必要?通知で現場ミスを防ぐ仕組みを解説!

導入事例:給排水トラブル対応を改善したビル管理会社

ある首都圏のビル管理会社では、約50棟のオフィスビル・マンションの給排水設備点検を行っていました。月次の定期点検と、トラブル発生時の緊急対応が業務の中心でしたが、トラブルの発生件数が年々増加傾向にあり、対応工数が経営を圧迫していました。

問題の一つは、過去の点検記録の活用が進んでいないことでした。紙の点検表は物件別にファイリングされていましたが、トラブル発生時に過去履歴を遡って参照する作業に時間がかかり、結局その場の対症療法で終わってしまうケースが多かったのです。「過去にも同じ場所で漏水があったらしいが、詳しい記録がない」という担当者の声が頻繁に聞かれていました。

そこで、写真報告アプリRaccoonを導入し、月次点検時に主要箇所を毎回同じ構図で撮影する運用を開始しました。所見もテンプレートに沿って入力することで、過去履歴と現在の状態を瞬時に比較できる体制を整えたのです。

導入から1年半後、緊急の漏水トラブル対応件数は前年比で約40%減少しました。点検時に劣化の兆候を早期発見し、予防的な処置を施すことができるようになったためです。さらに、修繕提案の質が向上し、計画修繕の受注額は前年比で約25%増加しています。担当者の一人は「データで劣化の状況を示せるので、オーナーへの修繕提案にも説得力が出るようになりました」と話しています。

このように、給排水設備点検のデジタル化は、業務効率化だけでなく、トラブル予防と受注機会の拡大という形で経営に貢献します。データに基づく予防保全の体制を整えることが、これからのビル管理会社の競争力となるでしょう。

給排水設備の点検記録のデジタル化なら写真報告アプリRaccoonがおすすめ!

給排水設備の点検は、利用者の生活や事業活動を支える基盤業務であり、その記録の質と参照のしやすさが点検品質に直結します。紙の点検表に頼った従来の運用では、過去履歴の活用も、トラブル予防への展開も、十分に進めることが難しいのが現実です。

写真とテンプレート化された所見をクラウド上で一元管理する仕組みを整えれば、点検の質と業務効率を同時に高め、予防保全の体制も構築できます。写真付き報告書作成アプリ「Raccoon」は、給排水設備をはじめとするビル設備点検業務のデジタル化に最適な、中小ビル管理会社向けのクラウドサービスです。

Raccoonは無料トライアルも可能なので、ぜひ一度お試しください。劣化トレンドの自動分析・修繕計画立案支援など、より高度な設備管理を目指す場合は、フルカスタム開発の「RaccoonPro」もご検討いただけます。

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RaccoonProは外注委託管理、物件管理、スケジュール管理などビジネスの基幹業務管理をまるごとデジタル化するカスタマイズサービスです。

執筆者
Raccoon開発者
牧野雄一郎

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