日本の人口は減少傾向になっており、新しくビルや建物を建設するよりも、いまの建築物を長持ちさせる維持管理に注目があつまっています。
しかし建物管理・点検業界では、専門職の人員確保がままならず、慢性的な人手不足に陥っています。当然多くの事業者がデジタル技術の活用で業務を効率化して省人化したいという要望がありますが、多くの中小建物点検業者が「効率化したいが、どんなシステムを選べばよいかわからない」という課題を抱えているのが現実です。
そんな企業におすすめなのが、「自社用にカスタマイズした写真報告アプリを導入する」という選択肢です。
この記事では、実際に保育園や幼稚園の「健康診断事業」を展開する株式会社エコテック様の成功事例をもとに、写真報告アプリをカスタムするメリットについて紹介します。
建物点検業界の課題
建物点検業界は次のような課題を抱えている企業が多く、写真報告アプリをカスタマイズして導入する例が多々あります。
- 従来の報告書作成プロセスが限界を迎えている
- 人手不足が慢性化し業務効率化の必要に迫られている
似たような課題を抱えている企業は、ぜひこの記事で紹介するポイントを参考にしてみてください。
従来の報告書作成プロセスが限界を迎えている
建物点検や維持管理業者では、建物オーナーや管理会社などに対して、作業の点検実施報告書を作成することが殆どです。現場の作業に時間がかかるのはまだ仕方ないにせよ、報告書作成には多くの時間がかかっており、付加価値の低い業務に対する労力の負担が大きくなっています。
具体的には以下のような報告書作成業務に時間を費やしています。
- 現場での点検や修繕などを実施してデジタルカメラで撮影をする(多いときは300枚以上の写真が発生)
- 事務所でデジカメのSDカードからPCへの取り込み作業
- 点検部位ごとのフォルダ分け・写真整理
- 報告書掲載用写真の選定・リサイズ作業
- エクセルへの手作業レイアウト(20ページ以上)
- 診断コメントの手動入力
今回紹介するエコテック様の事例では、一件の報告書作成に最低3時間を要し、本社スタッフも報告書を同時並行で作成しており、一日の診断は2件が限界という状況でした。
このような事例は、多くの中小建物点検・修繕業者に共通する課題といえるでしょう。
人手不足が慢性化し業務効率化の必要に迫られている
建物管理業界では、人手不足と業務量増加のダブルパンチにより、効率化は生存戦略となっています。技術者の高齢化による人材不足が深刻化する一方で、建物の老朽化進行による点検需要は増加の一途をたどっています。
さらにお客様からは点検や修繕が終わった後に、なるべく早く報告書の提出を求められるニーズが高まっています。競合他社との差別化を図るためにも、業務プロセスの抜本的な改善が急務となっているのが現状です。
そこで求められるのが写真つき報告書の作成アプリです。
SaaSの写真報告アプリで実現できることと・制約のあること
市場には多くのSaaS型写真報告アプリが存在しており、たとえカスタマイズしないとしても、基本的な業務の効率化には有効です。
SaaSアプリの主な機能
- スマートフォンでの写真撮影・クラウド保存
- 基本的な報告書テンプレート
- 写真の自動分類・整理機能
- PDF形式での報告書出力
エコテック様も最初は一般的なSaaSサービス「Raccoon」を導入し、写真撮影と報告書作成の効率化は実現できました。
現場で撮影した写真が事務所でリアルタイムに確認できるようになり、報告書作成時間に余裕ができたのです。
しかし、SaaSサービスですと以下のような制約があります。
まず当然ですが、SaaSは基本的にカスタマイズができませんので、写真の貼りつけレイアウトや、コメントの配置など、細かい要望には対処できません。
また、自社固有の業務手順やワークフローには対応出来ません。そのため別のツールやエクセルを使って進捗やスケジュール管理をする必要があります。
加えて、外部作業員などを擁する場合にはアクセス権限の問題もあります。同じくお客様にクラウドで共有する場合にも柔軟なアクセス権はつけられません。
エコテック様の場合も、カスタマイズ前は「写真選定後の報告書作成工程はそれほど短縮できなかった」という課題が残りました。
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写真報告アプリをフルカスタム開発する3つのメリット
もしSaaS型写真報告アプリで全ての課題が解決しないとしたら、ぜひフルカスタマイズすることも検討してみてください。
写真報告アプリをフルカスタム開発するメリットとしては、次の3点が挙げられます。
- 自社の業務内容に完全にマッチしたシステムを構築できる
- 顧客や協力会社のログインを通じて、真のコラボレーションが実現できる
- 業務フローの抜本的な効率化と、品質向上によって顧客満足度の改善や収益アップが期待できる
順番に各メリットの具体例を挙げていきましょう。
自社の業務内容に完全にマッチしたシステムを構築できる
エコテック様では、園舎の健康診断という特殊な業務に完全対応するため、以下の機能を実現しました。
カスタム機能例
- 点検部位別の専用チェックリスト
- 診断コメントの定型化・標準化
- 園舎特有の安全基準に基づく判定ロジック
- 修繕優先度の自動算出機能
写真報告アプリをフルカスタマイズすれば、このように自社業務にマッチしたシステムを構築できます。
顧客や協力会社にログインしてもらい、コラボレーションが実現可能
写真報告アプリ「Raccoon」をフルカスタマイズをすることで、従来の「報告書をPDFで送付」というツールから、「顧客も直接アクセスできるプラットフォーム」へと進化しました。
従来はエクセルで作成した報告書ファイルをPDFに変換してお客様に送付していました。一見これはデジタル化できているように思えます。
しかし、写真が200枚も入ったPDFは、大きいとファイル容量が50MBにもなっていたのです。これでは簡単にメールで送るわけにいきませんし、お客様もパソコン上で保存をためらってしまいます。
新たなアプリでは、お客様もシステムにログインして、管理している物件の報告書をオンライン上で見られるようになりました。オンラインですから保存する必要はありませんし、いつでもファイルフォルダや紙ファイルを探さなくても確認ができます。
当然、エコテック側で承認された報告書は即座にお客様が見る事ができます。
顧客連携機能
- 園舎側専用ログイン機能
- リアルタイムでの診断結果共有
- チャット機能による修繕相談
- 修繕履歴の一元管理
この結果、報告書のPDFファイルサイズの問題も解決し、顧客満足度が大幅に向上しました。
同時に撮影や点検業務を外部委託するケースもあります。すべての報告書が委託先に見えてしまってはよくないので、必要な園舎や報告書だけを操作できるようになりました。
このようなことの積み重ねで、撮影、報告書作成、顧客への提供がシームレスに実現できたのです。
業務フローの抜本的な効率化と、品質向上によって顧客満足度の改善や収益アップが期待できる
他にもフルカスタム開発により実現した成果が数多くありました。
まず、報告書の作成時間が30分ほどに短縮されると同時に撮影時の工数も下がり、一日2件しか訪問できなかった診断が3件巡回できるようになったのです。
さらにお客様の満足度も大幅にあがりました。お客様からは総合的なデジタル化によって施設管理がラクになり、「園舎運営管理に欠かせないアプリ」との評価をいただきました。
エコテックの新規営業開拓でもこのようなデジタル統合ツールがあるところは皆無なため、営業活動にも大きくプラスになりました。
写真報告アプリRaccoonのフルカスタム開発プロセス
写真報告アプリRaccoonはフルカスタムが可能なことが特徴ですが、その開発プロセスの特徴としては、次の2つが挙げられます。
- アジャイル開発による柔軟な仕様策定
- 顧客巻き込み型の開発アプローチ
これらに魅力を感じる方は、ぜひ一度ご相談ください。
アジャイル開発による柔軟な仕様策定
エコテック様と当社トライプランニングでは、アジャイル開発方式を採用しました。
アジャイル型の開発プロセスでは、まず報告書作成効率化という初期コンセプトを設定し、具体的な画面イメージを確認できるモックアップを早い段階で作成します。
その後、使い手の意見を反映しながら段階的に改良を重ね、最終的には「お客様にどう使ってほしいか」という顧客視点の観点を強化していきます。
顧客巻き込み型の開発アプローチ
特筆すべきは、開発段階から実際の顧客(園舎関係者)を巻き込んだことです。
先行リリース版での限定公開を実施し、4社の園舎運営法人のお客様との3回のテレビ会議による意見交換を通じて現場の声に基づく機能改善を行い、本リリース前には徹底的な検証を実施しました。
この結果、「自社だけではなく、お客様にとっても真に価値あるシステム」が完成しました。
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建物点検報告書をデジタル化する際の実践ガイド
今回紹介した成功事例をもとに、建物点検報告書をデジタル化する際の流れを紹介します。
- ステップ1:現状業務の詳細分析
- ステップ2:SaaSサービスでの改善可能性評価
- ステップ3:フルカスタム開発の検討
ステップ1:現状業務の詳細分析
まず自社の報告書作成プロセスを以下の観点で分析しましょう。
分析ポイント
- 撮影から報告書完成までの所要時間
- 各工程での作業内容と課題
- 顧客からの要望・不満
- 競合他社との差別化ポイント
ステップ2:SaaSサービスでの改善可能性評価
次に、既存のSaaSサービス(たとえば通常のRaccoon)でどこまで改善できるかを評価します。
評価基準
- 現在の作業時間をどの程度短縮できるか
- 顧客満足度向上に寄与する機能があるか
- 投資対効果は適切か
- 将来的な事業拡大に対応できるか
ステップ3:フルカスタム開発の検討
SaaSでは限界がある場合、フルカスタム開発を検討してみましょう。RaccoonProなら、今回紹介した事例のように柔軟な機能追加が可能です。
検討要素
- 開発投資額と回収期間
- 競合優位性の構築可能性
- 顧客との長期関係構築への寄与
- 事業拡大への貢献度
写真報告アプリのフルカスタマイズならRaccoon Proがおすすめ!
建物点検報告書のデジタル化は、単なる効率化ツールではなく、事業発展の重要な戦略要素です。
エコテック様の事例が示すように、適切なシステム選択により、作業効率の大幅改善と顧客満足度向上を同時に実現できます。現在の業務プロセスを見直し、自社に最適なデジタル化戦略を策定することで、競合他社との明確な差別化を図ることが可能です。
Raccoon Proは幅広い業種に対応したカスタマイズ版の写真報告アプリで、これまで数多くの企業に導入されてきました。自社にピッタリあった写真報告アプリを作りたいと考えている方は、ぜひ一度ご相談ください。

