介護施設の厨房衛生管理はどうする?検査記録のデジタル化で食中毒リスクを防ぐ方法を紹介!

写真報告アプリの実務

介護施設の栄養管理責任者や施設長から「HACCP対応の記録が毎日の業務を圧迫している」「紙の衛生管理記録が煩雑で、保健所の監査対応に不安がある」「調理スタッフの入れ替わりが多く、衛生管理の意識にばらつきがある」といった悩みを聞く機会が増えています。

2021年6月からはHACCPに沿った衛生管理が全ての食品等事業者に義務化され、介護施設の厨房も例外ではありません。しかし、日々の介護業務に追われる中で、厨房の衛生管理記録を適切に作成・保管し続けることは、現場にとって大きな負担となっています。

こうした介護施設特有の課題は、写真報告アプリを活用し、検査記録をデジタル化することで解決できます。

本記事では、80床規模の特別養護老人ホームでの導入事例を交えながら、介護施設の厨房衛生管理を効率化し、食中毒リスクを低減する方法を紹介します。施設の衛生管理体制の強化に取り組んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

執筆者
Raccoon開発者
牧野雄一郎

中小企業診断士・プログラマー・トライプランニング取締役
精密機器メーカーでの製造業エンジニアの出身、現在は中小企業向けフルカスタムのアプリ開発で、設計、実装、運用を全てこなすフルスタックエンジニアとして活躍中。製造業出身+診断士+プログラマーとして、経営と現場の両方にとって有益で使いやすい情報システム開発を実現していることが特徴。

牧野雄一郎をフォローする
報告書作成時間を1/3に削減! まずは30日間無料トライアル

ビル管理・アパート清掃・設備点検・現地調査など使い方は無限大!!
写真付き報告クラウドサービス

介護施設の厨房が抱える衛生管理の課題

介護施設における食事提供は、入居者の健康維持や生活の質向上に直結する重要な業務です。しかし、その厨房衛生管理には、一般の飲食店とは異なる特有の課題があります。

まずは介護施設の厨房ならではの課題について、整理してみましょう。

  • 高齢者は食中毒の重症化リスクが高い
  • 嚥下調整食による二次汚染リスク
  • HACCP義務化への対応負担
  • 紙ベースの記録運用の限界

高齢者は食中毒の重症化リスクが高い

高齢者は加齢に伴い免疫機能が低下しているため、食中毒にかかりやすく、かつ重症化しやすい傾向があります。また、嘔吐物を気道に詰まらせることによる窒息や、誤嚥性肺炎を引き起こすリスクもあります。若年層であれば数日で回復する食中毒が、高齢者の場合は命に関わる事態に発展しかねません。

そのため、一般の飲食店以上に衛生管理に気を使っている介護施設も多いのではないでしょうか。

嚥下調整食による二次汚染リスク

介護施設の厨房では、ミキサー食や刻み食を作るために、加熱後の食品を刻んだり、ミキサーにかけたりすることもあるでしょう。しかし、このような加工は、通常の食事に比べて二次汚染のリスクが高くなることが知られています。 

一度加熱した食品を再度調理器具で加工するため、器具や手指を介した二次汚染が発生しやすくなるためです。そのため介護施設の厨房では、通常の食事提供以上に、調理器具の洗浄・消毒や手洗いの徹底が求められます。

HACCP義務化への対応負担

2021年6月1日以降、すべての食品事業者にHACCPに沿った衛生管理の導入・運用が義務付けられており、老人ホームの厨房もその対象です。HACCPとは、食品の製造・加工工程における危害要因を分析し、特に重要な工程を継続的に管理する衛生管理手法です。

衛生管理計画には、①衛生管理計画の策定(ルールの整備)、②手順書の作成、③計画に基づく実施、④確認・記録による衛生管理の「見える化」が求められています。

しかし、このHACCPの導入と運用は、老人ホームの厨房にとって大きな負担となる側面も否定できません。複雑な工程管理、日々の記録、スタッフへの教育など、人手不足の状況下では、その実践に困難を伴う場合があります。

紙ベースの記録運用の限界

多くの介護施設では、衛生管理記録を紙の帳票で運用しています。冷蔵庫・冷凍庫の温度記録、調理時の中心温度記録、従事者の健康チェック、清掃点検記録など、日々記録すべき項目は少なくありません。しかし、紙の記録にはさまざまな課題があります。

まず、記録の手間です。調理業務の合間に手書きで記録を取ることは時間がかかり、調理スタッフの負担となります。次に、記録の信頼性です。後からまとめて記入したり、記入漏れが発生したりするリスクがあります。

また、保管と検索の問題もあります。HACCPでは記録の保管が求められますが、紙の記録は場所を取り、過去の記録を探すのに手間がかかります。さらに、情報共有の困難さもあります。施設長や栄養士が厨房の衛生状態をリアルタイムに把握することが難しく、問題の発見が遅れがちです。

介護施設の厨房に「写真報告アプリ」を導入するメリット

こうした介護施設の厨房衛生管理の課題を解決する手段として、近年注目されているのが「写真報告アプリ」による検査記録のデジタル化です。

当社が提供する写真報告アプリ「Raccoon」は、スマホで写真を撮るだけで報告書が完成するシンプルな操作性が特徴で、ITに不慣れな調理スタッフでも簡単に使いこなせると好評をいただいています。

特に次のような点に魅力を感じる方は、ぜひ写真報告アプリの導入を検討してみてください。

  • HACCP記録を自動集計できる
  • 調理工程ごとのチェックリストで衛生管理を徹底できる運用
  • 不備発見時の記録・改善に活用できる
  • 施設長・栄養士へリアルタイムに情報共有できる
  • 食中毒発生時に原因を追跡できる

それぞれのメリットについて、詳しく紹介します。

HACCP記録を自動集計できる

写真報告アプリを導入すれば、HACCPで求められる各種記録を、スマートフォンやタブレットからデジタル入力できます。冷蔵庫・冷凍庫の温度、調理時の中心温度、調理完了時刻などの数値データを入力し、同時に、測定時の写真を添付することも可能です。

たとえば、「75℃以上で1分以上加熱」という基準を満たしているかどうかを、写真報告アプリを導入している施設では、温度計の表示と食品の写真で記録します。これにより、「記録したつもりだった」「後から書き足した」といった曖昧さがなくなり、記録の信頼性が大幅に向上するのです。

そして入力されたデータは自動的にクラウド上に蓄積され、日報・週報・月報として集計されます。監査対応時には、指定した期間の記録をワンクリックで出力できるため、紙の記録を探し回る手間がなくなります。

このような仕組みを構築することで、調理スタッフの記録業務負担は大きく軽減され、さらに記録の信頼性も向上し、監査対応も効率化できる点は、写真報告アプリならではのメリットといえるでしょう。

調理工程ごとのチェックリストで衛生管理を徹底できる

食材の受入検査、下処理、加熱調理、冷却、盛付け、配膳といった各工程に対応したチェックリストを、写真報告アプリ上にテンプレート登録しておくことで、衛生管理を徹底することも可能です。

たとえば、「野菜類は流水で3回以上洗浄したか」「まな板は用途別に使い分けたか」「使い捨て手袋を着用したか」といった具体的な確認項目を設定し、調理スタッフは工程を進めるごとにチェックリストを確認、必要な項目を入力・撮影していくフローを構築しておけば、新人スタッフでも衛生管理を徹底できます。

また、調理スタッフが「自分の作業が記録に残る」という意識を持つことで、衛生管理への緊張感が高まる点もメリットの一つです。

不備発見時の記録・改善に活用できる

厨房設備の不具合や衛生上の問題を発見した際、写真報告アプリを導入していれば、その場で不備を写真を撮影して記録できます。

「排水溝に汚れが蓄積している」「冷蔵庫のパッキンが劣化している」といった問題を写真付きで報告することで、文章だけでは伝わりにくい状況を正確に共有できることがポイントです。

また、カスタマイズが可能な「RaccoonPro」なら、報告された不備に対して「改善指示」を出し、改善後の写真を提出してもらうような仕組みをオプションとして付け加えることもできます。これによって「指摘→改善→確認」のサイクルを回すことができれば、、問題の放置を防ぎ、継続的な衛生レベルの向上につなげられるでしょう。

施設長・栄養士へへリアルタイムに情報共有できる

調理スタッフがアプリで入力した記録は、即座にクラウド上に反映されます。そして施設長や栄養管理責任者は、事務所のパソコンやスマートフォンから、厨房の衛生管理状況をリアルタイムに確認できます。

「今日の冷蔵庫温度は適正範囲内か」「調理時の中心温度は基準を満たしているか」「清掃は予定通り実施されたか」といった情報を、現場に行かなくても把握できる点は、大きなメリットといえるのではないでしょうか。。また、異常値が入力された場合にはアラート通知を設定することもでき、問題の早期発見・早期対応が可能になります。

食中毒発生時に原因を追跡できる

万が一、食中毒が発生した場合、原因の特定には過去の記録を遡って調査する必要があります。紙の記録では、膨大な帳票の中から該当日時の記録を探し出すのに時間がかかりますが、デジタル記録であれば検索機能を使って瞬時に該当記録を抽出できます。

「○月○日の昼食で提供した料理の中心温度は何度だったか」「その日の食材の受入状況はどうだったか」「調理担当者の健康状態は問題なかったか」といった情報を迅速に確認でき、原因究明と再発防止策の策定に役立てることができる点も、写真報告アプリを活用するメリットの一つです。

80床規模の特別養護老人ホームが厨房衛生管理をデジタル化した事例

80床規模の特別養護老人ホームN苑では、厨房衛生管理の強化を重要課題として位置づけていました。同施設では自施設調理を行っており、常食、きざみ食、ソフト食、ミキサー食など複数の食形態に対応しています。調理スタッフは正職員2名とパート職員4名の計6名体制で、朝・昼・夕の3食を提供しています。

N苑の厨房では、HACCP義務化に対応するため、温度記録や清掃記録などを紙の帳票で管理していました。しかし、いくつかの課題が顕在化していました。

まず、記録業務の負担です。1日3回の冷蔵庫・冷凍庫温度チェック、調理ごとの中心温度記録、毎日の清掃点検など、記録すべき項目が多く、調理業務の合間に記入する時間を確保するのが困難でした。特に朝食の調理時間帯は忙しく、記録が後回しになりがちでした。

次に、記録の不備です。紙の帳票を後からまとめて記入するケースがあり、記入漏れや記入ミスが発生していました。月末の集計時に「この日の温度記録がない」と判明することもありました。栄養管理責任者が厨房に張り付いて確認することも現実的ではありませんでした。

さらに、監査対応の手間です。年に1回の保健所による監査の際、過去1年分の記録を準備するのに丸2日を要していました。ファイルを倉庫から運び出し、必要な帳票をコピーし、時系列に並べ直す─という作業は、通常業務に支障をきたすほどでした。

RaccoonProで構築したシステム

N苑はRaccoonProを活用して、厨房衛生管理のデジタル記録システムを構築しました。

システムの中核は、HACCP対応チェックリストのデジタル化です。「始業時点検」「食材受入」「調理工程(朝食・昼食・夕食)」「清掃点検」「終業時点検」の5つのカテゴリに分類されたチェックリストを作成し、それぞれに必要な確認項目と写真撮影箇所を設定しました。

たとえば「調理工程」チェックリストでは、主菜の中心温度測定値と温度計表示の写真、副菜の加熱状態、調理完了時刻などを記録します。入力された温度が75℃未満の場合は警告が表示され、再加熱の必要性を促します。

調理スタッフは、厨房に設置したタブレット端末からアプリにアクセスし、作業の進行に合わせてチェックリストを入力していきます。写真撮影もタブレットのカメラで行えるため、別途デジタルカメラを用意する必要はありません。

栄養管理責任者と施設長は、事務所のパソコンから管理画面にアクセスし、その日の記録状況をリアルタイムに確認できます。記録が未完了の項目があれば一目でわかるため、調理スタッフに確認・督促することができます。

月次の集計レポートは自動生成され、冷蔵庫温度の推移グラフ、チェックリスト完了率、指摘事項の一覧などがダッシュボードに表示されます。監査対応時には、指定期間の記録をPDFで出力するだけで済みます。

RaccoonProの導入効果

導入から6か月が経過した時点で、N苑では以下の効果が確認されています。

記録業務時間は、1日あたり平均45分から15分に短縮されました。手書きの帳票記入がなくなり、タブレットでの入力に切り替わったことで、調理業務の合間にスムーズに記録できるようになりました。特に、定型的な項目はワンタップで入力できるため、入力の手間が大幅に削減されました。

記録の完了率は、導入前の約85%から99%以上に向上しました。未入力項目があると管理画面に警告が表示されるため、記入漏れがほぼなくなりました。また、入力日時が自動記録されるため、「後から記入した」ということもなくなり、記録の信頼性が向上しました。

監査対応準備時間は、2日から2時間に短縮されました。過去の記録はすべてクラウド上に保管されており、検索・抽出・出力がワンクリックで完了します。実際に保健所の監査を受けた際、「記録が整理されていて確認しやすい」とコメントをいただいたとのことです。

N苑の栄養管理責任者は「紙の記録時代は、調理スタッフに『ちゃんと記録してね』と口頭で伝えるしかありませんでしたが、今は管理画面で入力状況がリアルタイムにわかるので、早い段階でフォローできるようになりました。調理スタッフも『記録が楽になった』と好評です」と語っています。

介護施設の厨房衛生管理は「写真報告アプリ」でデジタル化しよう!

介護施設の厨房における衛生管理は、入居者の命と健康を守るための極めて重要な業務です。HACCP義務化により記録・管理すべき項目も増え、紙ベースの運用では限界を迎えている施設も少なくありません。

しかし、写真報告アプリを導入することで、これらの課題を一気に解決できます。HACCP対応の記録をデジタル化し、調理工程ごとにチェックリストで管理し、問題があれば写真付きで即座に共有し、改善まで追跡する。このサイクルをシステム上で一元管理することで、厨房の衛生レベルを継続的に向上させることができます。

Raccoonは、スマホで写真を撮るだけで報告書が完成する写真報告アプリです。ITに不慣れな調理スタッフでも直感的に操作でき、30日間の無料トライアルで基本機能をお試しいただけます。

さらにRaccoonProなら、HACCP対応チェックリストの設計、温度記録の自動集計、改善報告フローなど、貴施設の運用に最適な形でシステムをフルカスタマイズできます。

「厨房の衛生管理記録を効率化したい」「HACCP対応の負担を軽減したい」「食中毒リスクを最小限に抑えたい」とお考えの介護施設の皆様は、ぜひお気軽にご相談ください。現状の運用をヒアリングした上で、最適なシステム構成をご提案いたします。

報告書作成時間を1/3に削減! まずは30日間無料トライアル

ビル管理・アパート清掃・設備点検・現地調査など使い方は無限大!!
写真付き報告クラウドサービス

自社専用フルカスタムの点検アプリ!貴社専用のSaaSをフルカスタムで構築します

RaccoonProは外注委託管理、物件管理、スケジュール管理などビジネスの基幹業務管理をまるごとデジタル化するカスタマイズサービスです。

執筆者
Raccoon開発者
牧野雄一郎

中小企業診断士・プログラマー・トライプランニング取締役
精密機器メーカーでの製造業エンジニアの出身、現在は中小企業向けフルカスタムのアプリ開発で、設計、実装、運用を全てこなすフルスタックエンジニアとして活躍中。製造業出身+診断士+プログラマーとして、経営と現場の両方にとって有益で使いやすい情報システム開発を実現していることが特徴。

牧野雄一郎をフォローする
写真報告アプリの実務
シェアする
タイトルとURLをコピーしました