建設業の現場報告はどう効率化する?DXで工数削減を実現する方法を紹介!

写真報告アプリの実務

2024年4月、建設業にもついに罰則付きの時間外労働の上限規制が適用されました。施行から約2年が経過した現在、日本建設業連合会のデータによると、建設業の年間労働時間は減少傾向にあるものの、2024年時点で全産業平均と比較して依然として年間約230時間長い状況が続いています(出典:日本建設業連合会「建設業の現状」)。

特に中小規模の修繕会社・点検業者では、建設現場作業そのものよりも、報告書作成や事務処理に費やす時間が長時間労働の大きな要因となっているケースが少なくありません。

そこで本記事では、建設業・修繕業に携わる経営者・実務担当者の方に向けて、時間外労働規制の施行後も現場の生産性が上がりにくい原因を掘り下げ、写真報告アプリによる具体的な工数削減方法を解説します。

執筆者
Raccoon開発者
牧野雄一郎

中小企業診断士・プログラマー・トライプランニング取締役
精密機器メーカーでの製造業エンジニアの出身、現在は中小企業向けフルカスタムのアプリ開発で、設計、実装、運用を全てこなすフルスタックエンジニアとして活躍中。製造業出身+診断士+プログラマーとして、経営と現場の両方にとって有益で使いやすい情報システム開発を実現していることが特徴。

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建設業の現場は時間外労働規制の施行でどう変わった?

まず、時間外労働の上限規制の内容と、施行後の業界の状況を確認しましょう。

2024年4月から建設業に適用された改正労働基準法では、時間外労働の上限が原則として月45時間・年360時間と定められました。特別条項付き36協定を締結した場合でも、年720時間以内、単月100時間未満(休日労働含む)、2〜6か月平均80時間以内という上限が設けられています。違反した場合には6か月以下の懲役または30万円以下の罰金という罰則が科されます。

この記事を書いているのは2026年、つまり施行から2年が経ったタイミングです。2026年時点では、たしかに大手ゼネコンを中心に、労働時間の削減は進んでいるといえます。

しかし、中小の修繕・点検業者においては、制度対応に苦慮している企業がまだ多いのが実情です。建設業就業者は2024年時点で477万人まで減少し、55歳以上が約37%を占める一方で29歳以下は約12%にとどまるなど、深刻な人手不足と高齢化が同時進行しています。限られた人員で同じ業務量をこなさなければならない中、「残業ができなくなった」だけでは根本的な解決にはなりません。

なぜ修繕・点検の現場で生産性が上がらないのか

規制が適用されたにもかかわらず、現場の生産性が思うように向上しない原因はどこにあるのでしょうか。主な要因を3つ挙げて解説します。

  • 報告書作成が「現場の後工程」として残り続けている
  • 紙ベースの管理が情報共有を阻んでいる
  • 属人化した業務が引き継ぎコストを生んでいる

生産性を上げる方法を考えるために、これらの実情を詳しく見ていきましょう。

報告書作成が「現場の後工程」として残り続けている

修繕工事や設備点検の現場では、作業後に報告書を作成することが欠かせません。しかし多くの中小企業では、現場で手書きメモや写真撮影を行い、事務所に戻ってからパソコンでWordやExcelに清書するというワークフローが定着しています。この「現場→事務所→清書」の流れは、作業時間外に報告書を仕上げる構造を生みやすく、残業の温床となっています。

特に写真の整理・貼り付け作業は想像以上に時間を取ります。1件の点検で撮影する写真が20〜30枚に及ぶことも珍しくなく、写真の選別・リサイズ・貼り付けだけで30分以上かかるケースも少なくありません。

紙ベースの管理が情報共有を阻んでいる

点検結果や修繕履歴を紙の台帳やファイルで管理している現場では、情報の検索・共有に手間がかかります。「前回の点検でどこを指摘されたか」を確認するために、ファイルを一つずつめくって探す作業が発生するのです。こうした非効率は、現場ごとの作業時間の積み重ねとして、確実に労働時間を押し上げています。

属人化した業務が引き継ぎコストを生んでいる

報告書のフォーマットや記録の粒度が担当者ごとに異なり、業務が属人化しているケースも生産性を低下させる大きな原因です。ベテラン社員の退職や異動のたびに引き継ぎに時間がかかり、新しい担当者が同じ品質の報告書を作成できるようになるまでに数か月を要することもあります。高齢化が進む建設業界では、この属人化リスクはますます深刻な問題となっています。

建設業の生産性を上げる鍵はDXによる「現場で完結する報告業務」の実現

これらの課題を解決するためには、DXによって、報告書作成を「事務所での後工程」から「現場で完結する業務」へと転換することが重要です。その実現に有効なのが、写真報告アプリの活用です

たとえば、スマートフォンやタブレットで撮影した写真をそのまま報告書に組み込み、現場にいながら報告書を作成・提出できるクラウドサービス「Raccoon」を活用すれば、報告書を作成するために事務所へ戻る必要はありません。

現場で撮って、現場で書いて、現場から送るというシンプルなワークフローを実現すれば、現場の負担を大きく削減できるのです。

写真報告アプリが点検・修繕業務にもたらす4つの効果

写真報告アプリの導入は、単なるツールの変更にとどまらず、業務全体の効率化をもたらします。

  • 報告書作成時間の大幅短縮
  • 写真と記録の紐付けによるトレーサビリティ確保
  • 業務フォーマットの統一による品質安定化
  • リアルタイム共有による管理者の負担軽減

それぞれ具体的な効果を見ていきましょう。

報告書作成時間の大幅短縮

現場で写真を撮影しながら報告内容を入力できるようになれば、事務所での清書作業が不要になります。

さらに、テンプレートを事前に設定しておけば、現場では撮影と簡単なコメント入力だけで報告書を作成することも可能です。

そのため多くの「Raccoon」導入企業で、報告書1件あたりの作成時間が半分以下に短縮されています。

写真と記録の紐付けによるトレーサビリティ確保

写真報告アプリ「Raccoon」を活用すれば、撮影日時・場所と報告内容が自動的に紐付けられるため、「いつ・どこで・何を確認したか」が明確に記録されます。過去の点検記録の検索もクラウド上で簡単に行えるため、紙ファイルを探す必要はありません。

このため修繕履歴の追跡が容易になり、顧客への説明にも活用できることも、写真報告アプリでDXするメリットだといえるでしょう。

業務フォーマットの統一による品質安定化

アプリ上で報告書のテンプレートを統一することで、担当者による品質のばらつきを防止できる点もメリットです。新入社員やアルバイトスタッフでも、テンプレートに沿って入力するだけで一定品質の報告書を作成できるため、引き継ぎコストの削減にもつながります。

関連記事:現場報告書のフォーマットはどう統一する?報告書の形式を揃える方法を紹介

リアルタイム共有による管理者の負担軽減

現場から送信された報告書はクラウド上で即座に確認できるため、管理者は事務所にいながら複数現場の進捗を把握できます。結果として現場への電話確認の回数が減るため、管理者側の業務時間の削減にも効果があるのです。。

建設現場のDXツール導入を成功させるための4つのポイント

建設現場で写真報告アプリなどDXツールの導入を成功させるためには、いくつか押さえておきたいポイントが存在します。

  • まずは1つの業務から試す
  • 現場スタッフの声を取り入れる
  • 導入効果を数値で見える化する
  • 自社の業務フローに合わせたカスタマイズも検討する

とくに初めてデジタル化に取り組む現場こそ、この3点を意識してみてください。

まずは1つの業務から試す

全業務を一度にデジタル化しようとすると、現場の抵抗感が大きくなりがちです。そのため、まずは定期点検報告など、頻度が高く効果を実感しやすい業務から導入を始めましょう。「事務所に戻ってからの清書がなくなった」という体験が、組織全体のデジタル化推進の原動力になります。

現場スタッフの声を取り入れる

導入時に現場スタッフから「使いにくい」「かえって手間が増えた」という声が上がると、定着せずに終わってしまいます。実際に報告書を作成するスタッフの意見を聞きながら、テンプレートや入力項目を調整することが定着の鍵です。

なお、Raccoonを導入いただく場合は、現場スタッフの声を取り入れた運用方法についてもアドバイスさせていただきます。

導入効果を数値で見える化する

導入前後で報告書1件あたりの作成時間や、月間の残業時間がどれだけ変化したかを記録しておきましょう。具体的な数値による効果の可視化は、経営層への報告にも、現場スタッフのモチベーション維持にも役立ちます。

関連記事:写真報告アプリの費用対効果はどのくらい?ROIの計算方法を紹介!

自社の業務フローに合わせたカスタマイズも検討する

修繕・点検業務は、対象となる建物や設備の種類、発注元の報告フォーマット要件などによって、必要な記録項目が大きく異なります。そのため、標準的なアプリでは対応しきれない場合もあるでしょう。

そのような場合には、フルカスタマイズが可能な「RaccoonPro」の活用も検討してみてください。RaccoonProなら、報告書のフォーマット設計から承認フロー、データの出力形式まで、自社の業務プロセスに合わせたフルカスタム開発に対応できます。

元請会社ごとに異なる報告書様式への対応や、点検チェックリストの組み込み、写真の自動整理機能など、現場の「あったらいいな」を形にできるのが特徴です。

【導入事例】修繕会社がアプリ導入で月60時間の残業削減に成功

ある首都圏のビル修繕会社では、マンションや商業ビルの修繕工事・定期点検を手がけ、技術者15名体制で月に約80件の現場を回していました。技術者の平均年齢は50代前半で、報告書はすべて現場メモをもとに事務所でWordに清書するスタイルでした。

2024年4月の時間外労働規制の適用後、同社では月45時間の上限に迫る技術者が複数名出るようになり、「このままでは法令違反になりかねない」という危機感から業務改善に着手しました。分析の結果、技術者1人あたり1日平均約1時間を報告書の清書作業に費やしていることが判明し、この時間を削減するために写真報告アプリRaccoonを導入しました。

導入後、技術者は現場でタブレットを使って写真撮影と報告内容の入力を同時に行えるようになりました。報告書1件あたりの作成時間は平均40分から約12分に短縮され、事務所での清書作業はほぼゼロになりました。会社全体では月あたり約60時間の残業削減を達成し、上限規制への抵触リスクも解消されています。

同社の現場責任者は「正直、ベテラン社員ほどスマホ操作に抵抗があるのではと心配しましたが、写真を撮ってコメントを入れるだけなので、1週間もすれば全員が使いこなせるようになりました。何より『もう事務所に戻ってからの清書がない』というのが、現場で一番喜ばれたポイントです」と話しています。

まとめ|点検・修繕の現場報告には写真報告アプリRaccoonがおすすめ!

建設業の時間外労働規制が適用されて約2年。労働時間は徐々に短縮されつつあるものの、中小の修繕・点検業者にとっては、限られた人員と時間の中で業務品質を維持する難しさが増しています。残業を単純に減らすだけでなく、業務そのものの効率を上げなければ、現場は疲弊する一方です。

本記事で解説したとおり、報告書作成業務は点検・修繕の現場における生産性向上の余地が最も大きい領域のひとつです。「現場で完結する報告フロー」への転換こそが、時間外労働の削減と業務品質の維持を両立させる現実的な解決策です。

写真付き報告書作成アプリ「Raccoon」は、スマートフォンひとつで現場から報告書を作成・送信でき、クラウド上で一元管理が可能です。無料トライアルも用意されていますので、まずは1つの現場からお試しください。

元請ごとに異なる報告書様式への対応や、自社独自の点検チェックリストの組み込みが必要な場合は、「RaccoonPro」によるフルカスタム開発もぜひご検討ください。

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執筆者
Raccoon開発者
牧野雄一郎

中小企業診断士・プログラマー・トライプランニング取締役
精密機器メーカーでの製造業エンジニアの出身、現在は中小企業向けフルカスタムのアプリ開発で、設計、実装、運用を全てこなすフルスタックエンジニアとして活躍中。製造業出身+診断士+プログラマーとして、経営と現場の両方にとって有益で使いやすい情報システム開発を実現していることが特徴。

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