ビル管理業界を取り巻く環境は急速に変化しています。
人手不足の深刻化、毎年の最低賃金上昇、働き方改革による労働時間の制約、ガソリン資材価格の値上げなどにより、中小ビル管理会社は厳しい局面にあると感じている方も多いのではないでしょうか。
一方で定期清掃や設備点検などの売上単価は頭打ちになっており過当競争。なかなかビルオーナーにむけて料金アップの交渉もままならない状況かと思います。
しかし、ビル管理会社のなかにもDX・デジタル化による業務効率化によって、このような危機を脱する企業も増えています。そこで今回は、中小ビル管理会社の業務効率化にはDX・デジタル化が必要な理由や、具体的な効率化策について紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
中小ビル管理会社が直面する課題
さて、次のような課題を抱えているような場合は、ぜひこの記事を参考いただければと思います。
- 人材確保が難しい
- 非効率なアナログ業務が多い
- 価格競争が激しい
それぞれ具体的な例について見ていきましょう。
人材確保が難しい
ビル管理業界では、2024年の有効求人倍率が2.8倍を超え、慢性的な人手不足が続いています。特に設備管理や清掃業務において、経験豊富な技術者の確保は年々困難になっています。従来の人海戦術による業務運営では、もはや事業の持続可能性を保つことができません。
人手不足は単なる採用難にとどまらず、既存スタッフの負担増加、サービス品質の低下、そして結果的な顧客離れという負のスパイラルを生み出しています。
さらにビル管理業界で働く方はシニア層も多く、労働時間の増加は本人達の負担にもなっており増やすことができません。
加えて、中小企業では、大手企業と比較して給与水準や福利厚生面で劣ることが多く、優秀な人材の獲得競争においてさらに不利な状況に置かれています。
もし採用数を増やすことが現実的でない場合は、既存社員の業務を効率化していく必要があるでしょう。
非効率なアナログ業務が多い
既存社員の業務を効率化していく必要があるといっても、非効率なアナログ業務が残ってしまっている管理会社も少なくありません。
多くの中小ビル管理会社では、ビルオーナーや元請け管理会社に向けて業務報告書を作成しているケースが殆どです。
この点検業務の記録を紙やエクセルで行い、報告書作成に膨大な時間を費やしていることが散見されます。
清掃や設備点検時に異常を発見しても、連絡手段に電話やFAXが中心では、迅速な状況報告と対応が困難な場合があります。
また、複数の物件を管理する際の情報共有が属人的になりがちで、担当者不在時には業務が停滞するリスクが常に存在します。
ビルオーナー・元請け管理会社からの要望や苦情に対しても、情報の一元管理ができていないため、対応の遅れや漏れが発生し、顧客満足度の低下につながっています。
このような課題を解決するためには、点検業務・報告書作成をデジタル化していくことが不可欠です。
価格競争が激しい
資材やガソリン価格の上昇や、最低賃金の引き上げにより、運営コストは増加の一途をたどっています。
一方で、ビルの運営は店子の家賃収入に依存しており、企業業績が伸び悩む昨今では家賃アップもままならず、結果的に発注者側のコスト削減圧力は強まり、従来の価格体系では十分な利益確保が困難になっています。
このため点検業務・報告書作成をデジタル化していきたいものの、高価なデジタル化ツールは導入できないという方もいるのではないでしょうか。
しかしデジタル化ツールは必ずしも高価とは限らず、リーズナブルな価格で導入できるものもあります。
ただし安くても使い勝手が悪ければ意味がないため、費用対効果の高いDXツールを導入することが重要です。
ビル管理会社がDXで業務効率化する解決策
さて、ビル管理会社がDXで業務効率化する方法としては、次のような例が挙げられます。
- センサー・ロボット技術による業務の自動化
- クラウドベースの業務管理システム導入
- AI活用による業務効率化
- データ分析による付加価値サービスの創出
それぞれ具体的な例を見ていきましょう。
センサー・ロボット技術による業務の自動化
設備管理において機器センサーを導入することで、24時間365日の自動監視が可能になります。温度、湿度、電力消費量、水漏れや計器類の異常を即座に検知し、スマートフォンやタブレットに通知することで、人的監視の負担を大幅に軽減できます。
予防保全の観点でも、設備の稼働データを蓄積・分析することで、故障の予兆を早期に察知し、計画的なメンテナンスが実現します。これにより、突発的な設備故障による緊急対応コストを削減し、設備の長寿命化も図れます。
また清掃分野についてはロボット掃除機の導入も増えてきました。大型のビルでは比較的平坦で広い面積が多いため、ロボットによる清掃自動化も導入される事例が増えています。
クラウドベースの業務管理システム導入
点検や清掃業務報告書の作成、顧客情報の管理、請求書発行などの事務作業をクラウドシステムで一元化することで、作業効率を飛躍的に向上させることができます。
現場スタッフがスマートフォンで直接撮影したり入力したデータが、即座に報告書として共有され、リアルタイムでの進捗管理が可能になります。
また、過去の作業履歴や顧客とのやり取りがデータベース化されることで、担当者が変わっても継続的で質の高いサービス提供が実現します。これは中小企業にとって特に重要な競争優位性となります。
写真付き報告クラウドサービス「Raccoon」も、ビル管理会社の業務効率化におすすめのDXツールです。
現場でスマホでアプリから写真を撮れば、そのまま報告書が完成するため、事務所に戻ってデジカメからエクセルに貼り付ける必要はありません。
クラウドで作成されたレポートはメールなどで共有可能で、印刷やFaxの手間やコストも削減できます。
最近では個人スマホのLINEなどで写真を共有しているケースも見受けられますのでセキュリティ的にもクラウド化のほうが安心です。
AI活用による業務効率化
清掃業務においては、AIを活用した最適なスケジューリングにより、効率的な人員配置も始まっています。
過去のスケジュールやスタッフの住所・物件の住所を基に、現在の人員で最大の効率アップ効果を得られるよう調整できます。
顧客対応においても、チャットボットなどの導入により、よくある質問への自動回答や、緊急度に応じた問い合わせの振り分けが可能になり、限られた人員でもより多くの顧客に迅速な対応を提供できます。
データ分析による付加価値サービスの創出
蓄積されたデータを分析することで、従来の管理業務を超えた付加価値サービスの提供が可能になります。
エネルギー使用量の最適化提案、空間利用効率の改善提案、設備更新時期の最適化アドバイスなど、顧客の経営に直接貢献するコンサルティングサービスへの発展が期待できます。
報告書作成をデジタル化した成功事例
最後に、報告書作成をデジタル化した成功事例を紹介します。
ある地方の中小ビル管理会社では、まず清掃業務のデジタル化から着手しました。清掃スタッフにスマートフォンを配布し、作業完了報告をデジタル化することから始めました。この小さな変化により、報告書作成時間が従来の3分の1に短縮され、事務作業の負担が大幅に軽減されました。
成功を実感したことで社内の意識が変わり、その後設備管理システムの導入、顧客管理システムの刷新と段階的にDXを推進していきました。現在では、従業員数を増やすことなく管理物件数を1.5倍に拡大することに成功しています。
DXに成功したビル管理会社の共通点としては、経営者だけでなく現場スタッフを巻き込んでDXを推進していることが挙げられます。新しいシステム導入時には、必ず現場の声を聞き、使いやすさを重視したツールを選択していることが特徴です。
また、デジタル化により削減された時間を、より付加価値の高い業務や顧客との関係構築に充てることで、スタッフのモチベーション向上にもつながっています。技術的な不安を感じるスタッフには、丁寧な研修と段階的な導入により、着実にスキルアップを図っています。
ビル管理会社の業務効率化なら写真付き報告クラウドサービス「Raccoon」
中小ビル管理会社にとってDXは、もはや選択肢ではなく生存戦略そのものです。人手不足や価格競争といった課題を、テクノロジーの力で乗り越えることで、持続可能な事業モデルの構築が可能になります。
重要なのは、完璧なシステムを一度に導入することではなく、現場の実情に合わせて段階的に取り組むことです。小さな成功体験を積み重ねることで、組織全体のデジタル化への理解と意欲を高めていくことが成功の鍵となります。
写真付き報告クラウドサービス「Raccoon」も、ビル管理会社の業務効率化目的で数多く導入いただいております。
導入をご検討される場合、貴社の業務フローをお聞きしたうえで、最適な導入方法をご提案することも可能です。「使い勝手がいい」との評判をいただいており、導入後に「使いづらく困った」という問い合わせはほとんどいただいておりません。
無料トライアルも可能ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。

