マンション大規模修繕の工事記録はどう残す?写真報告で施工品質を可視化する方法を解説!

写真報告アプリの実務

国土交通省の「令和5年度マンション総合調査」によると、長期修繕計画を作成している管理組合は88.4%に達しています。一方で、計画に対して修繕積立金が不足していると回答した管理組合は36.6%にのぼり、限られた予算の中で適切な修繕を行うことの難しさが浮き彫りになっています。

大規模修繕工事は一般的に12〜15年周期で実施され、1戸あたりの工事費用は75万〜125万円が相場とされています。数千万円から数億円規模の工事であるにもかかわらず、工事の記録方法については業界全体でまだ標準化が進んでいないのが現状です。

足場で覆われた建物の裏側で、どのような施工が行われているのか。管理組合にとっても、施工会社にとっても、工事記録を写真で適切に残し、施工品質を可視化することは、今後ますます重要になっていきます。

本記事では、大規模修繕における工事記録の課題と、写真報告アプリを活用した品質管理の方法を解説します。管理組合の役員や修繕委員の方、施工会社・修繕コンサルタントの方はぜひ参考にしてください。

執筆者
Raccoon開発者
牧野雄一郎

中小企業診断士・プログラマー・トライプランニング取締役
精密機器メーカーでの製造業エンジニアの出身、現在は中小企業向けフルカスタムのアプリ開発で、設計、実装、運用を全てこなすフルスタックエンジニアとして活躍中。製造業出身+診断士+プログラマーとして、経営と現場の両方にとって有益で使いやすい情報システム開発を実現していることが特徴。

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マンション大規模修繕で工事記録を重視すべき理由

大規模修繕における工事記録は、単なる「作業の証拠」ではありません。ここでは、工事記録が重要とされる3つの理由を見ていきましょう。

  • 施工品質の「見える化」が管理組合の安心につながる
  • 次回の大規模修繕に向けた「資産」になる
  • 瑕疵やトラブル発生時の証拠になる

施工品質の「見える化」が管理組合の安心につながる

大規模修繕工事は、足場やメッシュシートで建物全体が覆われた状態で進行します。居住者や管理組合の理事は、実際の施工状況を直接目にする機会がほとんどありません。

だからこそ、各工程の施工状況を写真で記録し、管理組合に共有することが重要です。「外壁の下地補修がどのように行われたか」「防水層はどの範囲まで施工されたか」が写真で確認できれば、管理組合は工事の進捗と品質に対する安心感を得られます。施工品質の見える化は、施工会社と管理組合の信頼関係の土台になります。

次回の大規模修繕に向けた「資産」になる

大規模修繕は一度きりの工事ではありません。12〜15年後には再び修繕が必要になります。前回の工事でどの箇所をどのように補修したのか、その記録が正確に残っていれば、次回の修繕計画を立てる際の重要な判断材料になります。

たとえば、「前回は北面の外壁にひび割れが多く補修した」「屋上防水は前回シート防水で施工した」といった情報があれば、次回の劣化診断や工法選定の精度が上がります。逆に記録が不十分だと、前回と同じ箇所を再調査することになり、余計なコストが発生します。

瑕疵やトラブル発生時の証拠になる

工事完了後に施工不良や瑕疵(かし)が見つかった場合、工事中の写真記録は極めて重要な証拠となります。施工前の状態、施工中の作業状況、施工後の仕上がりが写真で残っていれば、問題の原因究明や責任の所在を明確にできます。

写真記録がなければ、「施工前からあった劣化なのか、施工後に発生した不具合なのか」の判断がつかず、管理組合と施工会社の間でトラブルに発展するリスクがあります。

従来の工事記録方法が抱える課題

大規模修繕における工事記録の重要性は多くの関係者が認識していますが、実際の記録方法には依然として課題が残っています。とくに下記のような課題を感じている方は多いのではないでしょうか。

  • デジカメで撮影した写真が個人の端末に散在する
  • 報告書の作成が後回しになる
  • 管理組合への情報共有が紙ベースに限定される

これらの課題がもたらす問題とあわせて、詳しく解説します。

デジカメで撮影した写真が個人の端末に散在する

現場の作業員や現場監督がデジタルカメラやスマートフォンで撮影した写真は、撮影者の端末に保存されたままになりがちです。工事終了後にパソコンに取り込み、フォルダに整理する作業が必要ですが、工期が長い大規模修繕では写真枚数が数千枚に達することも珍しくありません。

「この写真はどの棟のどの面を撮ったものか」「撮影日はいつか」がわからなくなり、整理に膨大な時間がかかります。

報告書の作成が後回しになる

日中は現場で施工作業に集中し、報告書の作成は帰社後の夕方以降になる。このパターンでは、報告書の作成が慢性的に後回しになります。工事の進行が優先されるのは当然ですが、記録が後追いになると、撮り忘れや記載内容の不正確さにつながります。

管理組合やコンサルタントへの定期報告が遅れると、「工事がちゃんと進んでいるのか」という不安を与えかねません。

管理組合への情報共有が紙ベースに限定される

工事の進捗報告として、月に1回程度の「工事報告会」で紙の報告書を配布するという方法は、いまだに多くの現場で採用されています。しかし紙ベースの報告では、管理組合の理事や居住者がリアルタイムで工事状況を把握することはできません。

特に不在の区分所有者や高齢の理事にとって、紙の報告書だけでは工事の全体像を理解しにくいという声もあります。

関連記事:建設・修繕業の営業資料作成には写真報告アプリを活用できる!現場写真を活かした作成術を紹介

写真報告アプリで大規模修繕の工事記録を効率化する方法

こうした課題を解決する手段として、マンション大規模修繕の工事記録に写真報告アプリを活用するケースが増えています。写真報告アプリを導入すれば、現場で撮影した写真が、自動的に報告書(工事記録)として整形できるためです。

クラウド型の写真報告アプリ「Raccoon」も、マンション大規模修繕の現場で活用されています。「Raccoon」とは、現場で写真を取るだけで、工程・棟・面ごとに整理された報告書が作成できるサービスです。

ここからは、写真報告アプリを活用して大規模修繕の工事記録を効率化する方法について見ていきましょう。

  1. 工程ごとにテンプレートを設定する
  2. 撮影と同時に位置情報・日時を自動記録する
  3. 管理組合・コンサルタントとリアルタイムで情報共有する

工程ごとにテンプレートを設定する

大規模修繕は、足場設置→高圧洗浄→下地補修→シーリング→塗装→防水→鉄部塗装→足場解体といった複数の工程で構成されます。各工程で撮影すべきポイントをあらかじめテンプレートとして設定しておけば、撮り忘れを防止できます。

たとえば「下地補修」の工程であれば、「補修前の劣化状態」「補修中の作業状況」「補修後の仕上がり」という3つの撮影ポイントをテンプレート化します。現場スタッフはテンプレートに沿って撮影するだけで、必要な記録が漏れなく残せます。

このようなテンプレート機能が活用できることも、写真報告アプリ「Raccoon」が選ばれる理由の一つです。

撮影と同時に位置情報・日時を自動記録する

写真報告アプリを使えば、撮影と同時にGPS位置情報や撮影日時が自動で記録されます。これにより、「この写真はいつ、どの場所で撮影されたものか」が明確になるため、後から写真を整理する手間が大幅に削減されることもポイントです。

また、撮影した瞬間にクラウドへ自動保存されるため、端末の紛失や故障によるデータ消失のリスクもなくなります。

管理組合・コンサルタントとリアルタイムで情報共有する

クラウド型の写真報告アプリであれば、施工会社が撮影した工事記録を管理組合やコンサルタントにリアルタイムで共有できます。月1回の報告会を待たずに、日々の施工状況がオンラインで確認できるため、管理組合の安心感は格段に向上します。

遠方に住んでいる区分所有者や、平日の報告会に参加できない理事も、スマートフォンやパソコンからいつでも工事の進捗を確認できます。

「Raccoon」には外部の方へ情報共有する機能も実装されており、管理組合・コンサルタントの満足度を高めやすいこともポイントです。

マンション大規模修繕で写真報告アプリを活用する際のポイント

写真報告アプリは便利なツールですが、ただ闇雲に写真を撮影すればいいわけではありません。

ここからは、マンション大規模修繕で写真報告アプリを効果的に活用するときに意識すべきポイントを紹介します。

  • 施工前・施工中・施工後の3点セットで撮影する
  • 黒板・メモ情報もデジタルで記録する
  • 工事完了後のデータ引き渡しを見据えて運用する

施工前・施工中・施工後の3点セットで撮影する

工事記録で最も重要なのは、ビフォー・アフターの比較ができることです。施工前の劣化状態を撮影しておかなければ、施工後にどれだけ改善されたかを示すことができません。「施工前→施工中→施工後」の3点セットで記録する習慣をつけることが、品質の可視化の基本です。

黒板・メモ情報もデジタルで記録する

従来の工事現場では、工事名・撮影箇所・工程名を手書きした黒板を写真に写し込む方法が一般的でした。写真報告アプリでは、こうした情報をデジタルで入力し、写真に自動的に紐づけることができます。手書き黒板の準備や、黒板の文字が読みにくいといった問題も解消されます。

工事完了後のデータ引き渡しを見据えて運用する

大規模修繕工事が完了した後、工事記録のデータを管理組合に引き渡すことは、施工会社としての重要な責任です。クラウド上にすべての記録が整理された状態で保管されていれば、引き渡しの際にデータを一括でエクスポートするだけで完了します。

12〜15年後の次回修繕に向けて、管理組合が工事記録を長期保管できる環境を整えることも、施工会社の付加価値になります。

業務フローに合わせた工程管理テンプレートの設計や、管理組合向けダッシュボードの構築など、高度なカスタマイズが必要な場合は「RaccoonPro」で自社専用のシステムを構築できます。


導入事例:年間20件の大規模修繕を手がける施工会社の場合

ある中堅の修繕施工会社では、年間約20件のマンション大規模修繕工事を手がけています。従来は各現場の監督がデジカメで撮影した写真をパソコンに取り込み、Excelに貼り付けて月次報告書を作成していました。

1現場あたりの工事期間は3〜6か月、撮影枚数は1現場で平均2,000〜3,000枚。20件の現場が並行して進行する中で、写真の整理と報告書作成が現場監督の大きな負担になっていました。月次報告書の作成に1現場あたり毎月2〜3時間を費やしており、夜間や休日の作業が常態化していたといいます。

同社が写真報告アプリを導入し、工程ごとの撮影テンプレートを整備したところ、月次報告書の作成時間は1現場あたり毎月約30分にまで短縮されました。現場で撮影した写真はリアルタイムでクラウドに保存され、工程・棟・面ごとに自動整理されるため、帰社後のデータ整理作業がほぼ不要になりました。

これだけ時間作成できることをふまえると、写真報告アプリの費用対効果は非常に高いといえるのではないでしょうか。

関連記事:写真報告アプリの費用対効果はどのくらい?ROIの計算方法を紹介!

さらに、管理組合やコンサルタントにクラウド上で進捗を共有したことで、「工事の透明性が高まった」と管理組合から好評を得ています。ある管理組合の修繕委員長からは「毎月の報告会を待たずに、スマホで工事の進み具合を確認できるのがありがたい。理事会での報告もスムーズになった」という声が寄せられています。

同社の工事部長は「報告書作成の負担が減ったことで、現場監督が本来注力すべき品質管理と安全管理に集中できるようになりました。結果として施工品質そのものも向上しています」と語っています。


大規模修繕の工事記録には写真報告アプリRaccoonがおすすめ!

マンション大規模修繕の工事記録は、施工品質の可視化、次回修繕への資産蓄積、トラブル時の証拠保全という3つの観点から、適切に残すことが求められています。しかし従来の方法では、写真の散在、報告書作成の負担、管理組合との情報共有の遅れといった課題がありました。

写真報告アプリを活用すれば、撮影と同時にクラウドへ自動保存され、工程ごとに整理された報告書が作成できます。管理組合やコンサルタントとのリアルタイム共有も実現し、工事の透明性と信頼性が大きく向上します。

Raccoonは、スマホで撮影するだけで写真付き報告書が完成するクラウド型サービスです。まずは30日間の無料トライアルで、大規模修繕の工事記録管理をぜひ体験してみてください。

工程管理テンプレートの設計や管理組合向けの閲覧画面など、自社の業務フローに合わせたカスタマイズが必要な場合はRaccoonProもご検討ください。

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執筆者
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精密機器メーカーでの製造業エンジニアの出身、現在は中小企業向けフルカスタムのアプリ開発で、設計、実装、運用を全てこなすフルスタックエンジニアとして活躍中。製造業出身+診断士+プログラマーとして、経営と現場の両方にとって有益で使いやすい情報システム開発を実現していることが特徴。

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